2時のロードショー

2時のロードショー

『2時のロードショー』は、テレビ東京系列で1982年3月1日から1994年9月28日にかけて放送されていた、平日午後の映画放送枠です。主に洋画を日本語吹替版のみで提供し、当時の視聴者に広く親しまれました。

この番組の大きな特徴は、その作品選定にありました。ゴールデンタイムの映画番組で放送されるような大作はもちろんのこと、後継番組である『午後のロードショー』と比較しても、よりコアなジャンルのB級映画や、一般的な枠にとらわれない風変わりな作品、さらには深夜帯の人気枠だった『木曜洋画劇場』で過去に放送された作品の再放送なども積極的にラインナップに加えていました。これにより、多様な映画ファン層からの支持を集めていたと言えます。

また、放送される映画の邦題に関しても、独自のスタイルが見られました。既に他局や劇場公開時に別のタイトルが広く知られている作品であっても、テレビ東京独自の視点で新たな邦題を付けて放送するというユニークな試みが行われることも少なくありませんでした。

映画の本編が始まる際には、まず原語版のオープニングクレジットが流れ、その完了後、画面全体に新しい邦題が大きく表示される演出がありました。続いて、画面の下部に主要な出演者数名の名前と監督名がテロップとして表示されました。番組の終盤には、夜のゴールデンタイムに放送される自局のバラエティ番組やドラマ、アニメなどの宣伝テロップが画面下部を流れるのも、この番組ならではの光景でした。

映像面では、必ずしも最新のリマスター処理が施されているわけではなく、放送されるフィルムに由来する小さなゴミや画面の焼けといった経年劣化がそのままの状態で見られることも少なくありませんでした。これは、かえって当時の映画フィルムの質感を伝えるものとして、一部の視聴者には懐かしさをもって受け止められていた側面もあるかもしれません。

放送時間枠は公称90分とされていましたが、番組冒頭の5分間は「カウキャッチャー」と呼ばれる別枠のスポットCMに充てられていたため、実質的な番組本編は85分でした。この85分枠の中から、通常のCM枠やテレビショッピング枠などを差し引くと、純粋な映画の上映時間はわずか69分程度となり、限られた時間内で作品を収める工夫が必要でした。そのため、上映時間の長い作品は、前後編に分けて数日にわたって放送されることもありました。

日本語吹替版については、基本的には既存の音源が使用されており、後継番組の『午後のロードショー』と同様に、この番組のために新規に吹替版が制作されるケースはまれでした。しかし、『ナポリと女と泥棒たち』や『ナチスの亡霊』など、ごく一部の例外的な作品では、この放送枠のために新たに吹替版が制作された記録も残っています。

番組の開始時と終了時を飾るオープニングおよびエンディングは、極めてシンプルな構成でした。『2時のロードショー』と記された一枚の静止画フリップが数秒間表示されるのみで、凝った映像演出などは見られませんでしたが、それが番組の素朴な雰囲気を醸し出していました。エンディング時には、そのフリップに『テレビ東京』と『終』の文字が重ねられて表示されました。

1994年9月28日をもって、12年半にわたる放送を終えました。番組終了後、テレビ東京の昼間の映画放送枠は、放送時間を2時間に拡大した『シネマタウン』へと引き継がれました。さらに、『シネマタウン』は1996年4月1日からは、現在も続くテレビ東京の看板映画番組の一つである『午後のロードショー』へとバトンを渡すことになります。『2時のロードショー』は、テレビ東京の午後の映画放送の礎を築いた番組として、今なお記憶されています。

放送時間の変遷（いずれも日本標準時）

1982年3月31日 - 1990年3月30日: 月曜 - 金曜 14:00 - 15:25 (85分枠)
1990年4月2日 - 1991年6月28日: 月曜 - 金曜 14:00 - 15:30 (90分枠)
1991年7月1日 - 1992年3月26日: 月曜 - 木曜 14:00 - 15:30
1992年3月30日 - 1994年9月28日: 月曜 - 水曜 14:00 - 15:30

もう一度検索