2000年の広島東洋カープ

2000年の広島東洋カープは、達川光男監督体制の2年目としてシーズンを迎えました。前年からコーチ陣に若干の変更があり、OBである木下富雄氏がヘッドコーチに就任しました。戦力の大きな変動はなかったものの、前ヘッドコーチの退団に伴い、チームは従来とは異なるキャンプを経てシーズンに臨みました。

その影響もあったか、チームは開幕直後から快進撃を見せます。4月には15勝9敗と大きく勝ち越し、単独2位に浮上するなど、開幕ダッシュに成功。上位進出、そしてAクラス入りへの期待が大きく膨らみました。

しかし、チームを予期せぬアクシデントが襲います。打線の中心を担う前田智徳選手、緒方孝市選手、野村謙二郎選手といった主力野手が、相次いで故障により戦列を離れる事態が発生しました。これによりチームの核となる部分が失われ、急激に成績が低迷しました。

投手陣では、前年の不振から立ち直ったネイサン・ミンチー投手や不動のエース佐々岡真司投手、そして後に球界を代表する存在となる黒田博樹投手が先発ローテーションを支え、勝利数を積み重ねました。しかし、救援投手陣は安定感を欠き、試合終盤での失点が多く見られる状況が続きました。

打撃陣は、この年から4番打者に定着した金本知憲選手や、チームに復帰したルイス・ロペス選手が奮闘し、打線を牽引しました。しかし、主力選手の故障離脱の影響は大きく、全体として投手陣と打撃陣のバランスに課題を抱えたシーズンとなりました。

シーズン終盤、チームは東京ヤクルトスワローズと4位の座を争いましたが、投手陣の崩壊が響き、勝ち星を伸ばすことができませんでした。最終的には、前年から借金は減少させたものの、主力選手の相次ぐ故障も影響し、3年連続で5位という結果に終わりました。

この結果を受け、チームを率いた達川監督は責任を取り、シーズン終了後に辞任しました。後任の監督には、1993年までチームを指揮し、その後野球解説者として活動していた山本浩二氏が8年ぶりに復帰することになりました。

山本新体制で臨んだ翌2001年シーズンは勝率5割を達成しましたが、その後は再び低迷期に入ります。後任のマーティ・ブラウン監督時代を含め、チームがクライマックスシリーズ進出圏内の3位に浮上するのは、2013年に野村謙二郎監督が就任するまで待つことになります。この間、チームは球団史上でも長期にわたる低迷期を経験することとなり、2000年シーズンはその始まりを告げる年として位置づけられています。

もう一度検索