2000年ブラジルグランプリ

2000年ブラジルグランプリ：ドラマと論争のレース

2000年3月26日、インテルラゴス・サーキットでF1世界選手権第2戦、ブラジルグランプリが開催されました。このレースは、スリリングな展開と、レース後まで続く波乱に満ちたものでした。

予選:

ミカ・ハッキネンがポールポジションを獲得し、デビッド・クルサード、ミハエル・シューマッハが続きました。しかし予選は、コース上に設置された広告看板が3回も落下するという異例の事態に見舞われ、中断が繰り返されました。3度目の落下では、ジャン・アレジの車両が落下物に接触するアクシデントも発生しています。ザウバーの2台は、リアウィングのトラブルにより決勝レースへの参加を断念しました。

決勝:

ハッキネンとシューマッハは好スタートを切り、クルサードは後退。序盤はハッキネンがトップを走り、シューマッハ、クルサード、バリチェロ、アーバイン、フィジケラが続きました。すぐにシューマッハがハッキネンに攻撃を開始し、バリチェロもクルサードを追い上げます。激しいバトルの末、シューマッハはハッキネンを、バリチェロはクルサードをオーバーテイクしました。

フェラーリの2台は2ストップ戦略を明確に示し、バリチェロはハッキネンのすぐ後ろにつけます。シューマッハはハッキネンに対し1秒/ラップの差をつけました。中盤では、バリチェロがハッキネンを捉え、トゥルーリがアーバインをパスして5位に浮上します。シューマッハがピットインすると、マクラーレンに対し20秒のリードがありました。3位でコースに復帰したシューマッハでしたが、その後バリチェロがピットインし、2位に浮上します。レース後半では、バリチェロのマシンから煙が出てレースは大きく展開を変えます。ハッキネンは予想外のピットインをし、トラブル発生が判明しました。

その後方では、フェルスタッペンが一時3位を走行しましたが、ピットストップでフィジケラにポジションを譲ります。ウィリアムズの2台、ラルフ・シューマッハとジェンソン・バトン、そしてフィジケラ、フレンツェンは1ストップ戦略で接戦を展開しました。トップ争いでは、クルサードとシューマッハがほぼ互角のペースで走行しますが、シューマッハに余裕がありました。終盤のピットストップ後、ラルフ・シューマッハはバトンを大きく引き離し、6位でフィニッシュ。一方、バトンはフェルスタッペンの後方で苦戦しましたが、最終的にパスに成功しました。

レース後:

レース後、上位6台（フィジケラを除く）はウッドパネル規定違反により失格となりました。しかし、FIAによる再検査の結果、クルサード車のフロントウィング違反のみが認められ、他のマシンは失格処分を取り消されました。この件に関し、FIAはコースの安全掲示板落下事故でオーガナイザーに10万ドルの罰金を科しました。

このレースは、激しいバトル、アクシデント、そしてレース後の論争と、F1のドラマを凝縮したような内容でした。結果として、ミハエル・シューマッハが優勝、デビッド・クルサードが2位、ルーベンス・バリチェロが3位という結果となりました。しかし、レース後も続く波乱は、このレースがいかに記憶に残るものだったかを示していると言えるでしょう。

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