2001年ノルディックスキー世界選手権

2001年ラハティノルディックスキー世界選手権

2001年2月15日から25日までの11日間、フィンランドのラハティで開催されたノルディックスキー世界選手権は、同地で6回目の開催となる歴史的な大会でした。クロスカントリースキー、ノルディック複合、スキージャンプの3種目、計18種目が行われました。

大会のハイライト

この大会は、1950年代以来、最も多くの種目変更が行われた大会として注目されました。具体的には、クロスカントリースキーで女子5kmと男子10kmが廃止され、女子10kmと男子15kmが1991年大会以来10年ぶりに復活。男女のパシュートとスプリントが新たに採用されました。また、スキージャンプではノーマルヒル団体が採用され、新たな形式が導入されました。しかし、クロスカントリースキー女子30kmは、-23℃という異常低温のため、残念ながら中止となりました。

ノルディック複合個人では、ノルウェーのビークが史上2人目の大会2連覇を達成。これは1934年、1935年を連覇したオッドビョルン・ハーゲン以来の快挙でした。

ドーピングスキャンダル

しかし、この大会は、ホスト国であるフィンランドのクロスカントリースキー選手6名がドーピング違反を犯したという大スキャンダルによって、その輝きを失いました。この事件は、翌年のソルトレークシティオリンピックでのドーピング事件の序幕となり、その影響は計り知れません。

ドーピング論争の詳細

ヤンネ・イモネン、ヤリ・イソメッサ、ハッリ・キルヴェスニエミ、ミカ・ミュルレの男子選手4名と、ミラ・ヤウホ、ビルピ・クイトゥネンの女子選手2名の、計6名のフィンランド選手は、「ラハティ6」として知られるようになりました。彼らは禁止薬物であるヒドロキシエチル澱粉（HES）の陽性反応を示し、スキー界に大きな衝撃を与えました。

最初に発覚したのは、2月15日の男子15kmクラシカルで4位に入ったヤリ・イソメッサで、ゴール後の検査で陽性反応が確認され、2年間の出場停止処分を受けました。17日のパシュートで獲得した銀メダルも剥奪されています。その後、2月26日にはイモネンも陽性反応を示し、同様に2年間の出場停止処分を受けました。

カリ＝ペッカ・カイロ元男子チーム監督は記者会見で組織的なドーピングを認め、チームドクター2人と女子チームの監督も関与していたことを明らかにしました。地元開催の大会で最高の成績を収めるため、誤った手段に手を染めてしまったと述べています。この事件を受け、フィンランドスキー連盟のエサ・クリン会長が3月6日に辞任しました。

ヒドロキシエチル澱粉（HES）は、増血効果により持久力を向上させる効果がある薬物です。前年に禁止薬物リストに掲載されたものの、当時は検出技術が確立されていませんでした。しかし、世界アンチ・ドーピング機構（WADA）が大会直前に検出技術を完成させ、フィンランドチームの使用が発覚する結果となりました。

この事件は、2002年のソルトレイクシティ冬季オリンピックや2003年のノルディックスキー世界選手権におけるドーピング違反とともに、国際オリンピック委員会（IOC）と国際スキー連盟（FIS）がドーピング対策を強化するきっかけとなりました。

競技結果（日本代表関連）

日本代表選手の記録は、全日本スキー連盟の記録に基づいています。

クロスカントリースキー: 各種目で日本代表選手が出場。
ノルディック複合: 個人、団体ともに日本代表選手が出場。
スキージャンプ: 個人ラージヒル、ラージヒル団体、個人ノーマルヒル、ノーマルヒル団体に日本代表選手が出場。

大会後

ドーピング問題は、2006年トリノ冬季オリンピックの開会式と閉会式でも強調され、スポーツ界におけるドーピングに対する懸念を再認識させる出来事となりました。

外部リンク

FIS公式
* ラハティ市博物館アーカイブス'>ラハティ市博物館アーカイブス 各種目の記録

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