2001年マレーシアグランプリ

2001年マレーシアグランプリ：雨とドラマが彩る激戦

2001年3月18日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキット。F1世界選手権第2戦、マレーシアグランプリの舞台は、天候の移ろいによってドラマチックな展開を見せることとなる。

予選ではエンリケ・ベルノルディが車両規定違反により全タイム抹消という事態が発生。決勝レースは、スタート直後から予想外の出来事が連続した。まず、ジャンカルロ・フィジケラがグリッドを間違えるというハプニング。スタートやり直しとなり、最後尾からのスタートを余儀なくされた。さらに、ニック・ハイドフェルドはギアトラブルでピットスタート、一方のファン・パブロ・モントーヤはエンジントラブルでピットスタートとなった。

スタート後、ミハエル・シューマッハの後ろを走っていたラルフ・シューマッハは、1コーナーでルベンス・バリチェロと接触。スピンを喫し順位を大きく落とす。一方、キミ・ライコネンはスタート前からギアボックスに問題を抱えており、レースを完走することができなかった。

レースが3周目に差し掛かると、突如として雨が降り出す。フェラーリの2台は6コーナーでコースアウトするアクシデントに見舞われた。なんとかコースに戻ったものの、ミハエル・シューマッハは11位、バリチェロは10位まで順位を下げてしまう。この混乱の中、ジャノ・トゥルーリがトップに立つ。ヴィルヌーヴ、ハイドフェルド、ベルノルディ、モントーヤ、アーバインらはリタイアを余儀なくされた。この雨によって、ヨス・フェルスタッペン、ジャン・アレジ、フィジケラ、そしてジャンマリア・マッザカーネらが順位を大きく上げた。

4周目には、トゥルーリがコースオフ。デイビッド・クルサードがトップに躍り出た。激しい雨はさらに勢いを増し、セーフティーカーが導入される事態に。各マシンはフルウエットタイヤへの交換を余儀なくされたが、セーフティーカーが7周も先導したため、コースコンディションはフルウエットからセミウエットへと変化していた。

11周目にレースが再開されると、インターミディエイトタイヤを装着していたフェラーリの2台が驚異的な速さで追い上げを見せる。16周目にはミハエル・シューマッハがトップに返り咲き、最初のピットストップで1分12秒もの時間をロスしたバリチェロも2位に浮上。その後は、2台は他車を寄せ付けない圧倒的な速さで走り続け、フェラーリがワンツーフィニッシュを飾った。ミハエル・シューマッハは、これで6戦連続のポール・トゥ・ウィンという偉業を達成した。

3位にはクルサード、4位にはハイドフェルドのピットスタートから追い上げたフレンツェン、5位には最後尾から見事な追い上げを見せたラルフ・シューマッハ、6位には今シーズン初ポイントを獲得したミカ・ハッキネンが入った。また、フェルスタッペンは18位スタートから7位まで順位を上げる健闘を見せた。

このレースは、天候、メカニカルトラブル、ドライバーのミスなどが絡み合い、予想外の展開が続く、まさにドラマチックなレースとなった。そして、その中で、フェラーリの圧倒的な強さと、ミハエル・シューマッハの卓越したドライビングスキルが証明されたレースでもあったと言えるだろう。

第2戦終了時点でのランキング

(ドライバーズ、コンストラクターズ共にトップ5のみ)

※詳細なランキングデータは省略

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