セパン・インターナショナル・サーキット

セパン・インターナショナル・サーキットの概要

セパン・インターナショナル・サーキット（Sepang International Circuit）は、マレーシアのクアラルンプール郊外、セランゴール州セパンに位置する著名なサーキットです。その建設は、当時の首相マハティール・ビン・モハマドによる近代化政策の一環として行われました。設計は著名なサーキットデザイナー、ヘルマン・ティルケが手掛け、1999年から2017年まではF1世界選手権の一環として「マレーシアGP」が開催され、多くのモータースポーツファンを魅了してきました。

このサーキットでは、ロードレース世界選手権マレーシアGPも行われるほか、全日本GT選手権（現在のSUPER GT）も2000年から2013年まで開催されていました。2014年からは開催されていないものの、2020年以降の復帰が期待されています。

特徴

セパン・インターナショナル・サーキットの大きな特徴は、赤道に近い位置にあるため、高温多湿の気候条件です。これにより、ドライバーはレース中に体力を消耗しやすく、特に暑さによる影響が顕著です。サーキットでは熱帯特有のスコールが多発するため、レース戦略やタイヤ選択も影響を受けることがあります。例えば、2009年にはスコールが襲い、レースが中断される事態に見舞われました。

コースレイアウト

サーキットのレイアウトも独特で、最終コーナーは左回り、1コーナーは右回りとなっています。このため、イン側の偶数グリッドがタイヤのラバーを持ちやすく、スタンディングスタート時に有利とされています。1コーナーから続くパンクーラウトシケインは、特にオーバーテイクのチャンスがある場所です。

しかし、コースは単なる直線やカーブだけではなく、ヘアピンや高速S字コーナーも含み、ドライバーにとって技術的な挑戦を与えます。コースの最大幅は16m、最長ストレートは927.543mと、オーバーテイクの機会が豊富です。

データとイベント

サーキットは、数々のレースイベントの舞台となっており、F1初開催は1999年の第15戦マレーシアGPでした。以降、数多くの記録が作られ、中でも2017年にはセバスチャン・ベッテルが記録した1:34.080秒のラップがサーキット公認ラップレコードとなっています。そして、MotoGPにおいてもケーシー・ストーナーが2:02.108で記録を残しています。

アクセス

セパン・インターナショナル・サーキットへのアクセスは非常に便利です。クアラルンプール国際空港（KLIA）からタクシーを利用すると約15分、またKLIAエクスプレスの駅からもアクセスが可能です。さらに、自動車での移動もスムーズで、クアラルンプール市内からはおおよそ45分〜60分で到着します。

その他の情報

このサーキットには、自動車博物館やゴーカートサーキット、モトクロスサーキットが併設されており、多岐にわたるモータースポーツを楽しむことができます。また、内周にレーシングチーム用の整備エリアが整備されているため、チームが万全な準備でレースに臨むことが可能です。

セパン・インターナショナル・サーキットは、マレーシアにおけるモータースポーツの中心地として位置づけられ、今後も多くのレースファンに愛されることでしょう。

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