2002 FNS歌謡祭

2002年12月5日、フジテレビ系列で放送された『2002 FNS歌謡祭』は、同番組31回目の放送であり、数々の記憶に残る出来事が起きた、特別な一夜となりました。

まず特筆すべきは、放送時間の長さです。この年のFNS歌謡祭は、19時から22時19分までの3時間19分という、当時としては最長の放送時間となりました。翌2003年からは水曜放送となり、放送時間もさらに拡大されることが決定していましたが、この放送は木曜時代最後のFNS歌謡祭として、特別な意味を持っていました。

ステージ上では、数々の感動的なパフォーマンスが繰り広げられました。トップバッターを務めたのは松浦亜弥で、彼女は「♡桃色片想い♡」を披露し、会場の空気を一気に華やかなものにしました。一方、大トリを飾ったのは浜崎あゆみで、「Voyage」を力強く歌い上げ、番組を締めくくりました。トップバッターと大トリの両方を女性ソロアーティストが務めたのは、この回が初めてのことでした。

しかし、完璧なステージばかりではなかったのも事実です。安室奈美恵は「Wishing On The Same Star」を披露中に、音響トラブルに見舞われました。曲の途中でマイクの音量が変化するというアクシデントに見舞われたものの、プロとしての高い対応力で、見事にパフォーマンスをやり遂げました。

また、この年のFNS歌謡祭では、幾つかの注目すべき出演がありました。人気グループSMAPは、同時間帯に放送されていたTBS系列の『うたばん』への出演のため、FNS歌謡祭への出演を見送りました。一方、フジテレビのバラエティ番組『水10! ワンナイR&R』から生まれた音楽ユニット・くずが、FNS歌謡祭に初出演を果たしました。

ジャニーズ事務所からは、TOKIO、KinKi Kids、V6、嵐、そしてタッキー&翼が出演しました。特にタッキー&翼は、この回がFNS歌謡祭初出演となり、フレッシュなパフォーマンスで多くの視聴者を魅了しました。

司会は、楠田枝里子と当時フジテレビアナウンサーだった川端健嗣が務め、番組全体をスムーズに進行させました。音楽演奏は武部聡志音楽団が担当し、素晴らしい演奏でアーティストたちの歌声を彩りました。

番組の制作には、港浩一をはじめとする多数のスタッフが関わっており、その努力が素晴らしい番組を作り上げたと言えるでしょう。彼らの献身的な仕事ぶりなくして、この感動的なFNS歌謡祭は実現しなかったはずです。

この『2002 FNS歌謡祭』は、放送時間の長さ、豪華な出演者、そして様々なハプニングを含め、多くの視聴者の記憶に刻まれた、まさに伝説的な番組と言えるでしょう。木曜時代最後のFNS歌謡祭として、そして新たな時代の幕開けを告げる番組として、多くの意味を持つ放送でした。

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