2002年のオーストラリアグランプリ (ロードレース)

2002年のロードレース世界選手権第15戦、オーストラリアグランプリは、10月18日から20日にかけて、オーストラリアのフィリップアイランド・サーキットで開催されました。今大会は、各クラスのタイトル争いに大きく影響を与える重要な一戦となりました。

125ccクラスでは、ポイントランキング2位のマヌエル・ポジャーリ選手が力強い走りで優勝。シーズン4勝目を飾りました。一方、ランキングトップのアルノー・ヴァンサン選手は4位に終わり、両者のポイント差は8点に縮まりました。タイトル争いは最終戦へと持ち越されることとなり、最後まで目が離せない展開となりました。ランキング3位につけていたダニ・ペドロサ選手は5位に終わり、今シーズンのタイトル獲得の可能性が絶たれました。

250ccクラスは、ポイントリーダーのマルコ・メランドリ選手とランキング2位のフォンシ・ニエト選手による激しいトップ争いが展開されました。メランドリ選手は接戦を制し、見事シーズン8勝目を挙げました。この勝利により、メランドリ選手は20歳と74日という若さで、250ccクラス史上最年少チャンピオン（当時）の栄冠に輝きました。彼の驚異的な才能が世界に知らしめられた瞬間でした。

MotoGPクラスでは、予選から2ストロークマシン勢がその速さを示しました。ジェレミー・マクウィリアムス選手（プロトンKR）がポールポジションを獲得、ギャリー・マッコイ選手（レッドブル・ヤマハWCM）、青木宣篤選手（プロトンKR）、ユルゲン・ファン・デン・グールベルク選手（カネモト・ホンダ）がフロントロウを埋めました。しかし、決勝レースでは状況が一変。4ストローク勢がその真価を発揮し、チャンピオンの座を目指すバレンティーノ・ロッシ選手が、アレックス・バロス選手との激しいバトルを制して優勝。シーズン11勝目を挙げ、シリーズチャンピオン獲得に大きく近づきました。表彰台には、宇川徹選手が3位、加藤大治郎選手が4位と、ホンダのRC211Vが上位を独占する結果となりました。一方、今大会からヤマハYZR-M1に乗り換えた阿部典史選手（アンテナ3・ヤマハ・ダンティーン）は、土曜朝のフリー走行で転倒による怪我を負い、決勝レースを欠場せざるを得ませんでした。

オーストラリアGPは、各クラスでドラマチックな展開が繰り広げられ、タイトル争いは最終戦へと持ち越されました。各ライダーの執念、そしてマシンの性能が複雑に絡み合った、記憶に残る一戦となりました。今後のシリーズ展開にも大きな期待が寄せられました。

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