2002年のロードレース世界選手権

2002年FIMロードレース世界選手権：新時代の幕開けとロッシの圧倒的な強さ

2002年のロードレース世界選手権は、最高峰クラスが990cc4ストロークエンジンへと移行した歴史的なシーズンとなりました。長年続いた2ストロークエンジンの時代から新たな時代への転換期であり、多くのドラマが生まれた一年でした。

MotoGPクラス：ロッシの支配と4ストロークエンジンの台頭

このシーズン最大の話題は、なんといってもバレンティーノ・ロッシの圧倒的な活躍です。ホンダの新型マシンRC211Vを駆り、11勝を挙げました。チェコGPでのタイヤバーストによるリタイヤを除く全レースで2位以上という驚異的な成績で、355ポイントを獲得。これは1997年のミック・ドゥーハンの記録を大きく上回る、驚異的な数字でした。

一方、多くのサテライトチームは前年までの500cc2ストロークエンジンを使用せざるを得ず、4ストロークエンジンのマシンがファクトリーから供給されたのはシーズン終盤になってからのことでした。しかし、990cc4ストロークエンジンの優位性は明白で、翌2003年には500cc2ストロークエンジンは完全に姿を消します。

アレックス・バロスはシーズン当初は2ストロークのNSR500で戦っていましたが、終盤にRC211Vを与えられてからは4戦で2勝、さらに2度の表彰台を獲得する活躍を見せました。この活躍が認められ、翌2003年にはヤマハファクトリーに移籍しますが、ヤマハの低迷期と重なり、活躍は限定的でした。しかし、ホンダはその潜在能力を見抜き、2004年にレプソル・ホンダへと迎え入れることになります。

また、このシーズンからFIMは4ストロークエンジン化によるメーカー参加促進を目的としており、その甲斐あって、パシフィックGPからカワサキが参戦を開始、さらにドゥカティも2003年からのMotoGP参戦を発表しました。スズキはシーズン途中でタイヤをミシュランに戻すなど、各チームが様々な戦略を採っていました。

250ccクラスと125ccクラス：若手ライダーたちの躍進

MotoGPクラスへのステップアップにより、前年のチャンピオンとランキング2位が不在となった250ccクラスでは、マルコ・メランドリが9勝を挙げて250ccクラス史上最年少のチャンピオンに輝きました。わずか20歳での快挙は、将来を嘱望させるものでした。

125ccクラスでは、アプリリアのアルノー・ヴァンサンが、前年チャンピオンのマヌエル・ポジャーリを破り、タイトルを獲得しました。この結果、アプリリアは125ccと250ccの両クラスでライダーズ・タイトルとコンストラクターズ・タイトルを制覇するという偉業を達成しました。

まとめ：新時代への転換点

2002年シーズンは、MotoGPクラスにおける4ストロークエンジンの導入という大きな転換点となりました。ロッシの圧倒的な強さ、新たな勢力の台頭、そして若手ライダーたちの活躍など、多くのドラマと興奮に満ちたシーズンでした。このシーズンを機に、ロードレース世界選手権は新たな時代へと歩みを進めていったのです。詳細なポイントランキングや各レースの結果などは、公式記録を参照ください。 この文章では、主要な出来事と結果に焦点を当てて記述しています。

もう一度検索