2002年ハンガリーグランプリ

2002年ハンガリーグランプリ：フェラーリの圧勝と新たな挑戦

2002年のF1世界選手権第13戦、ハンガリーグランプリがハンガロリンクで開催されました。このレースは、資金難に陥っていたアロウズチームの欠場という、シーズン序盤から続く波乱の幕開けとなりました。さらに、ミナルディチームは不振が続いていたアレックス・ユーンに代え、BARのテストドライバー、アンソニー・デヴィッドソンを起用。デヴィッドソンにとって、このハンガリーグランプリがF1デビュー戦となりました。

決勝レースは、ポールポジションを獲得したルーベンス・バリチェロが、スタートから好調な走りを見せました。一方、2番グリッドからスタートしたミハエル・シューマッハは、弟のラルフ・シューマッハに一時的にポジションを脅かされる場面もありましたが、落ち着いて2位をキープ。フェラーリの2台は、他の追随を許さない圧倒的な速さでレースを展開しました。

レース中盤では、ファン・パブロ・モントーヤとキミ・ライコネンが、前戦に引き続き激しいバトルを繰り広げました。しかし、今回はモントーヤが競り負け、マシントラブルにより入賞圏外まで順位を落とす結果となりました。

レース終盤もドラマは続きました。デビュー戦を迎えたデヴィッドソンはスピンアウト。ペドロ・デ・ラ・ロサとヘイッキ・コバライネンはピットレーンで接触するなど、上位陣以外も白熱した展開となりました。コバライネンはその後もマシントラブルに見舞われ、順位を下げてしまいました。

結局、フェラーリ勢は他チームを圧倒するペースでレースを支配。バリチェロが今季3勝目を挙げ、ミハエル・シューマッハが2位に入賞しました。この結果、フェラーリはコンストラクターズチャンピオンを決定づけました。

マクラーレンチームは予選での低迷から立ち直り、ライコネンとデビッド・クルサードがポイントを獲得。ジョーダンチームもフィジケラが入賞を果たし、カナダグランプリ以来の好成績を収めました。一方、予選7位だったフェリペ・マッサはフィジケラと激しいバトルを展開するも、惜しくもポイント獲得とはなりませんでした。

このハンガリーグランプリは、フェラーリの圧倒的な強さ、そして若手ドライバーのデビューや各チームの激しい争いなど、見どころの多いレースとなりました。また、このレースは77周で争われた最後のハンガリーグランプリでもあり、翌年からレース周回数が70周に変更されました。 レース終盤の様々なアクシデントや、各チームの戦略、そしてドライバーたちの熱い戦いは、観る者の心を掴んで離しませんでした。順位争いは最後まで予断を許さず、まさに手に汗握る展開となりました。各チームの戦略、ドライバーの技量、そしてマシンの性能が複雑に絡み合い、ドラマチックな展開を作り出しました。このレースは、F1の歴史の中でも記憶に残る一戦として語り継がれることでしょう。

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