2003 FIFA女子ワールドカップ

2003 FIFA女子ワールドカップ

2003 FIFA女子ワールドカップは、第4回目の大会であり、アメリカ合衆国で2003年9月20日から10月12日にかけて開催されました。この大会では、1991年の最初の大会以来用いられていた「FIFA女子世界選手権」という名称が改めて「FIFA女子ワールドカップ」とされ、名実ともに新たなスタートを切ることとなりました。

開催までの経緯

当初、この大会は中国での開催が予定されていましたが、新型肺炎（SARS）の影響により開催地が変更されました。結果的にアメリカが選ばれ、前回の1999年大会に続く開催となりました。これまでの大会ではワールドカップの成績が次年度のオリンピックの予選も兼ねていたのですが、この大会からは各大陸連盟ごとに独立した予選を実施する方針に変更されました。ただし、欧州サッカー連盟（UEFA）においては日程の都合からワールドカップの成績をもとにオリンピック出場チームを決定することとされ、最終的にドイツとスウェーデンが出場権を獲得しました。

日本では、TBSとフジテレビがこの大会を生放送し、特に日本戦の視聴率は平均2.6%を記録しました。この数字は女子サッカーにしては高評価であり、その背景には前年の男子FIFAワールドカップと、メキシコとのプレーオフの注目度が影響したと考えられています。

予選と出場国

本大会には16チームが参加し、まずは4チームずつのグループに分かれてリーグ戦を行いました。備考欄には、欧州予選プレーオフや大陸間プレーオフに関する情報が表示されており、各国の参加状況が示されています。

大会の概要

アメリカの6都市、カーソン、コロンバス、フォックスボロ、フィラデルフィア、ポートランド、ワシントンD.C.で開催されたこの大会は、急遽アメリカに移行したにもかかわらず、2001年に発足したWUSA（Women's United Soccer Association）が存在したこともあってスムーズに進行しました。ただし、開催直前に同リーグが休止を発表したため、観客の中には「SAVE the WUSA」と記載されたボードを掲げる姿も見られました。

大会では、予選を勝ち抜いた8チームによる決勝トーナメントが行われ、アメリカ、スウェーデン、ブラジル、ノルウェー、ドイツ、カナダ、中国、ロシアが進出しました。今回の大会からはオリンピック予選を兼ねないことが明示され、決勝トーナメントは延長戦としてゴールデンゴール方式が採用されました。決勝戦ではドイツがスウェーデンを延長で下し、初優勝を果たしました。この優勝は、ワールドカップ史上唯一のゴールデンゴールによるものであり、大会に記憶に残る瞬間を刻みました。

結果と表彰

残念ながら、互いにPK戦で決着がついた試合は引き分けとして記録されます。しかし、得点ランキングや大会の最優秀選手、得点王などの表彰も行われ、出場国の選手たちの活躍が明らかになりました。各国から選ばれたオールスターチームも発表され、競技の質の高さを存分に示しました。大会は無事に終了し、女子サッカーのさらなる発展に寄与することとなった影響は計り知れないものがあります。

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