2003年のオリックス・ブルーウェーブ

2003年のオリックス・ブルーウェーブの振り返り

2003年、オリックス・ブルーウェーブは、前年の39年ぶりの最下位からの復活を期してシーズンに臨みました。この年は、石毛宏典監督にとっての2年目のシーズンであり、チームのキャッチフレーズは「FEEL THE BALLPARK REVOLUTION 〜熱くなろう神戸〜」でした。しかし、シーズンは多くの困難に見舞われることになりました。

チームの強化と初期の困難

前年の失敗を受けて、チームは打撃陣の強化に取り組みました。ロッテオリオンズなどで活躍したレオン・リーを打撃コーチとして迎え入れ、さらには守護神であった平井正史をトレードで中日ドラゴンズに放出し、山﨑武司という新たな選手を獲得しました。また、新外国人選手としてホセ・オーティズやルーズベルト・ブラウンが加入し、大リーグからは吉井理人が6年ぶりに日本に戻ることとなりました。これにより、4年ぶりのAクラス入りが期待されました。

しかし、開幕からチームは全く噛み合うことなく、早々に最下位に沈んでしまいました。開幕から約1か月後の20試合目には石毛監督が解任され、レオンが新監督に就任することになります。この解任劇の際、当初一緒に辞任を希望した中尾ヘッドコーチは、レオンの希望で残留しましたが、最終的には6月8日に解任されることに。

シーズン途中では球団OBの加藤英司が二軍監督に就任し、混乱の中で何度も指揮官が入れ替わりました。これには、前任の中沢伸二が一軍ヘッドコーチに昇格していたことも影響しています。

打撃陣の奮闘と守備の課題

打撃成績自体は174本塁打を記録しリーグ3位とまずまずでしたが、得点は652でリーグ最下位のロッテをわずか1点上回るのみでした。一方で、守備面では132の失策を記録し、エラーが急増しました。投手陣も防御率5.95という悪化した数字を記録し、主力選手が故障によって戦力が分断される結果となりました。

特にエース候補のユウキや、大久保勝信、山口和男といった選手が故障で一度も登板できなかったのは大きな誤算でした。さらに、左のエースである金田政彦や具臺晟の不在、川越英隆の負傷もチームにとって痛手となりました。打線の強化を図るため外国人野手を3人起用した影響でエド・ヤーナルが解雇されるなど、選手起用についても波乱が続きました。

結果とシーズンの最後

監督交代も、逆にチームを活性化させることはできず、開幕以降最下位から脱出することは叶いませんでした。シーズンの最終成績は48勝88敗4分で、2年連続の最下位という結果になりました。その結果、レオン監督は責任を取り、1年で辞任することに。チームの防御率5.95に加え、失点927、被安打1534、被打率は.306と、NPB史上のワースト記録を樹立しました。

対戦成績では、2年連続で全ての対戦相手に負け越すという結果であり、大阪近鉄バファローズや日本ハムファイターズにはまずまず健闘しましたが、特に西武ライオンズとロッテには大きく負け越す形となりました。また、福岡ダイエーホークスには接戦を繰り広げたものの、8月1日にはパ・リーグ記録となる29失点（1得点）の試合を喫するなど、試合結果には壮絶な内容が多くありました。

このように、2003年のオリックス・ブルーウェーブは多くの課題を抱えながらも、様々な変化の中で戦った一年でした。しかし、最終的な結果としては、さらなる再建を必要とする厳しいシーズンとなりました。

もう一度検索