2004年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ

2004年、メジャーリーグベースボール（MLB）のポストシーズンは10月5日に開幕しました。その中で注目を集めたのが、ナショナルリーグ優勝決定シリーズです。セントルイス・カージナルスとヒューストン・アストロズ、両チームにとって初めてのポストシーズンでの対戦となりました。レギュラーシーズンではアストロズがカージナルスを10勝8敗と圧倒していましたが、このシリーズは予想をはるかに超える接戦となりました。

シリーズは10月13日から21日にかけて開催され、7試合に渡る激闘を繰り広げました。両チームは互いに一歩も譲らず、サヨナラ本塁打による決着が2試合もあり、試合展開はまさに手に汗握るものとなりました。特に、劣勢に立たされたチームが同点に追いついたり、逆転したりする場面が10回もあったことから、シリーズの緊迫度が伺えます。このシリーズは、ポストシーズン史上2度目のサヨナラ本塁打による決着が2試合、そして4度目の10回以上の逆転劇という、稀に見る接戦となりました。

しかし、このシリーズは、同じ時期に行われたアメリカンリーグ優勝決定シリーズの影に隠れることとなりました。アメリカンリーグでは、ボストン・レッドソックスがニューヨーク・ヤンキースを3連敗から4連勝で破るという、歴史的偉業を成し遂げました。その劇的な展開に、ナショナルリーグ優勝決定シリーズの注目度は相対的に低くなってしまいました。

カージナルスは最終的にアストロズを4勝3敗で下し、17年ぶり16回目のリーグ優勝、そしてワールドシリーズ進出を果たしました。シリーズMVPには、アルバート・プホルスが選出されました。プホルスは、7試合で打率.500、4本塁打、9打点、OPS 1.563という驚異的な成績を残し、特に第7戦の6回裏には同点の適時二塁打を放ち、続く打者の本塁打で決勝点を挙げました。

しかし、ワールドシリーズではレッドソックスに0勝4敗で敗れ、優勝を逃しました。それでも、このナショナルリーグ優勝決定シリーズは、両チームの激しい攻防、ドラマチックな試合展開、そしてプホルスの活躍など、記憶に残る名勝負として語り継がれることでしょう。

このシリーズの盛り上がりを客観的に示す試みとして、『ハードボール・タイムズ』のクリス・ジャフによる評価があります。ジャフは、ポストシーズンの各シリーズを面白さで数値化するという試みを行い、1点差試合やサヨナラゲームなどにポイントを付与することで、定量的な評価を行いました。その結果、このシリーズは114ポイントを獲得し、全262シリーズ中8位、リーグ優勝決定戦に限れば4位という高評価を得ています。これは、このシリーズがいかに緊迫した、そして記憶に残るものだったかを裏付ける結果となっています。

このシリーズは、数々のドラマチックな瞬間、そして両チームの執念のぶつかり合いによって彩られ、多くのファンを魅了したと言えるでしょう。歴史に残る名勝負の一つとして、これからも語り継がれるに違いありません。

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