2005年の中日ドラゴンズ

2005年の中日ドラゴンズのシーズンレビュー

2005年、中日ドラゴンズは落合博満監督の2年目のシーズンを迎えました。前年の日本シリーズでは西武ライオンズに敗れ、日本一には届かなかったものの、監督の落合は「V2して頂上も勝ち取る」という意気込みを示しました。この年は新戦力として横浜から加入したタイロン・ウッズを筆頭に、立浪和義、福留孝介など前年優勝メンバーが奮闘し、チームは4月に16勝9敗の好スタートを切ります。

しかし、5月に入ると様相が一転します。ヤクルト戦でウッズが退場する不祥事が発生し、さらに交流戦では早々に躓きを見せ、成績は2勝7敗となります。その後5月21日からは5連敗を喫し、月間成績は11勝15敗の負け越し。首位から陥落し、特に5月24日から26日までの対楽天戦では新設チームに初の3連敗を喫し、落合監督は試合後に「チームを再浮上させるためには一番いい負け方だったんじゃないのか」と発言しました。この結果、最大11あった貯金は一気に1にまで減少。最終的にシーズンを通じて唯一楽天に負け越す結果となり、交流戦では最下位にまで低迷。セ・リーグチームの首位も3位にまで下がり、その様子は「降竜戦」と揶揄される事態となりました。

6月に入るとチームは5連勝するものの、その後はまたも連敗を喫し波のある戦いが続きます。しかし、7月12日からオールスターを挟んで11連勝を達成し、8月9日の阪神戦では6点差からの逆転勝利を見せるなど、首位争いに食らいつきます。8月終わりの段階では阪神に0.5ゲーム差まで迫るも、9月からは再び失速し阪神に引き離され、連覇の夢は断たれました。

投手陣の面では、前年のMVPの川上憲伸が11勝を挙げ、中継ぎの岡本真也も10勝を記録しましたが、それ以外の投手の調子が振るわず、チームの防御率は前年の3.86から4.13へと悪化しリーグ4位に後退しました。また、打撃陣に目を向けると、ウッズが38本塁打、103打点をマークするなど素晴らしい成績を残しましたが、福留はリーグ最多の二塁打と最高出塁率を記録するものの、チーム打率は.269でリーグ4位に終わりました。その中で最も目を引くのはチームがリーグ最多の123併殺打を記録したことで、チャンスでの弱さが露呈しました。

さらに、このシーズンには高橋聡文、中田賢一、石井裕也、川岸強、鈴木義広、佐藤充、中里篤史といった7選手が初勝利を挙げ、これは当時のプロ野球新記録として注目を集めました。

最終的に2005年の中日ドラゴンズは個人の活躍が際立ったものの、チームとしての成績には課題を残すシーズンとなりました。

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