2006年のラジオ (日本)

2006年は日本のラジオ界にとって、長年親しまれた番組がその歴史に幕を下ろす一方で、新たな企画や才能がリスナーに届けられた変革の年でした。主要な出来事や番組編成の動きを通して、この年のラジオ界を概観します。

主な出来事

この年、ラジオ界では様々な出来事がリスナーの耳目を集めました。春には人気お笑いコンビのオリエンタルラジオがニッポン放送のキャンペーンキャラクターを務め、番組展開を盛り上げました。一方、長寿番組の終了が相次いだことも特筆されます。NHK FMで32年間放送された音楽番組『ひるの歌謡曲』が3月をもって終了。また、文化放送が制作し、1963年以来43年の長きにわたり続いた火曜会企画の洋楽ランキングシリーズも、『全国ポピュラーベストテン』の終了（4月2日）をもってその歴史に幕を閉じました。音楽関連では、人気グループいきものがかりがニッポン放送のステーションジングルを制作したことも話題となりました。

エンターテインメント分野では、関根勤さんの娘である関根麻里さんがTBSラジオ『コサキンDEワァオ!』への出演（6月17日）を機に芸能活動を開始。NHKラジオ第1では石原裕次郎氏の未発表音源が特別番組で披露されました（6月22日）。

夏のラジオ界に衝撃を与えたのは、極楽とんぼ山本圭一氏の不祥事によるTBSラジオ『極楽とんぼの吠え魂』の急遽打ち切りです（7月21日決定）。相方・加藤浩次氏が番組終了を発表し、金曜深夜のJUNK枠は一時、他番組パーソナリティによる特別企画で対応されました。この影響は大きく、加藤氏が担当していたMBSラジオの番組も降板するなど、波紋を広げました。

秋には、戦時中の「東京ローズ」として知られるアイヴァ・郁子・戸栗・ダキノ氏が90歳で逝去しました（9月26日）。

ラジオ局主催の大型イベントも開催されました。ニッポン放送は11月3日・4日に日比谷公園で「Theラジオパークin日比谷」を開催し、多くの来場者を集めました。また、年末には文化放送、毎日放送、北海道放送が共同でラジオドラマを制作・放送するなど、局の枠を超えた取り組みも見られました。各局は趣向を凝らした年越し特別番組で一年を締めくくりました。

番組編成の動向

2006年は、春と秋の改編期に多数の新番組が開始され、各局の番組ラインナップが大きく変化しました。4月改編では、TBSラジオのJUNK2枠やニッポン放送の『ミューコミ』、TOKYO FMの『NISSAN あ、安部礼司〜BEYOND THE AVERAGE』など、深夜から日中にかけて様々なジャンルの新番組が登場しました。J-WAVEやFM各局、全国の地方局でも独自の企画番組がスタートしました。

10月改編でも新番組は多く、TBSラジオでは久米宏氏の『ラジオなんですけど』や文化系トークラジオ『Life』などが放送を開始し、話題を呼びました。ニッポン放送の『ヤンピース』など帯番組のリニューアルや、金曜JUNKに移動したおぎやはぎの番組なども注目を集めました。地方局を含め、全国的に新しいパーソナリティやコンセプトの番組が数多く生まれ、ラジオの聴取スタイルやコンテンツの多様化が進んだ一年となりました。

まとめ

2006年は、長年の歴史に区切りをつけつつも、新しい番組や企画が次々と生まれ、ラジオメディアの活力を示した一年でした。時代の流れや社会の出来事を反映しながら、ラジオは多様なリスナーのニーズに応えようとする姿勢を見せました。

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