2007年のテレビ (日本)

2007年の日本のテレビ界：変革と動揺

2007年の日本のテレビ業界は、技術と番組内容の両面で大きな変化と話題に彩られた一年となりました。

技術的な進展としては、地上デジタル放送の整備が全国的に進みました。特に10月1日には、北海道内のNHK各放送局をはじめとする主要な親局で地上デジタル放送が始まり、これにより日本全国のテレビ局親局における地上デジタルの放送開始が完了しました。また、BS放送においても新たな動きがありました。長年親しまれてきたNHK衛星アナログハイビジョン放送が9月末に放送を終了し、10月末には完全に停波しました。その一方で、12月1日には日本BS放送（BS11デジタル）とワールド・ハイビジョン・チャンネル（TwellV）という2つの新しいBSデジタル放送局が開局し、BSデジタル放送の多チャンネル化がさらに進みました。

番組編成においては、民放各局で例年以上に大規模な改編が実施されました。特に4月と10月には多くの番組が開始・終了・リニューアルされました。日本テレビでは、長寿番組「午後は○○おもいッきりテレビ」が9月に終了し、10月から「おもいッきりイイ!!テレビ」としてリニューアル。引き続きみのもんたが総合司会を務めました。また、火曜夜9時台の2時間ドラマ枠が廃止され、新たなバラエティ枠やドラマ枠が設けられました。約2年半ぶりに単発特別番組枠「モクスペ」が復活したことも注目されました。フジテレビでは、「クイズ$ミリオネア」のレギュラー放送が終了し、深夜の人気番組「メントレG」がゴールデンタイムに進出。また、後述の不祥事による番組打ち切りを受けて、「爆笑レッドカーペット」が急遽放送されるなど、編成に影響が出ました。テレビ朝日では、1959年の開局以来続いていた連続時代劇のレギュラー放送が10月改編で終了するなど、歴史的な変更も見られました。

2007年は、番組内容に関する不祥事もいくつか発生しました。1月には、関西テレビ制作・フジテレビ系列で放送されていた情報番組「発掘!あるある大事典II」が、納豆のダイエット効果に関するデータ捏造や専門家のコメント改変といった不正行為が発覚し、放送途中で打ち切りとなりました。これは社会的に大きな反響を呼びました。また、TBSの朝の情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」では、不二家に関する事実と異なる内容を放送し、司会者が誹謗中傷ともとれる発言をしたとして、後に番組内で謝罪する事態となりました。その他、番組制作に関連して、北海道テレビの「水曜どうでしょうClassic」が鳥取砂丘でのロケで自然公園法に抵触する行為があったとして環境省から注意を受けるといった出来事もありました。

番組の節目の放送も多く見られました。「徹子の部屋」が放送8000回、「日立 世界・ふしぎ発見!」が1000回、「笑っていいとも!」が放送開始25周年を迎えるなど、数々の長寿番組が記念すべき日を迎えました。また、約10年ぶりに「世界名作劇場」シリーズが復活し、「レ・ミゼラブル 少女コゼット」がBSフジで放送開始されたことも話題となりました。

アニメや特撮、スポーツ中継といった各ジャンルでも活発な動きが見られました。アニメでは「機動戦士ガンダム00」「Yes!プリキュア5」「ハヤテのごとく！」など多くの新作が放送され、特撮では「獣拳戦隊ゲキレンジャー」「仮面ライダー電王」「ULTRASEVEN X」といったシリーズ作品が展開しました。スポーツ中継では、新年の駅伝やサッカー・ラグビーの全国大会、夏の主要国際大会（世界競泳、世界陸上）、バレーボールワールドカップ、年末の格闘技イベントまで、様々な競技がテレビで届けられました。

このように、2007年の日本のテレビ業界は、デジタルの波に乗りながらも、番組のあり方や制作姿勢が問われる出来事があり、活気と課題が入り混じった一年だったと言えるでしょう。

もう一度検索