2008年シンガポールグランプリ

2008年シンガポールグランプリ

2008年9月26日から28日までの間にシンガポール市街地コースで行われた2008年シンガポールグランプリは、2008年F1世界選手権の第15戦であり、F1設立以来800レース目にあたる重要なイベントです。このレースはまた、F1の歴史において初めてのナイトレースでもあり、多くのファンやメディアが注目しました。

予選

Q1

レース前日の予選では、フェラーリのキミ・ライコネンが1'44.282のタイムを記録し、Q1のトップタイムを獲得しました。彼に続いたのはマクラーレン・メルセデスのヘイッキ・コバライネンで、僅か0.029秒差という接戦でした。ルイス・ハミルトンやフェリペ・マッサも上位に顔を出し、大きな注目が集まりましたが、一方でルノーのネルソン・ピケJr.やトロ・ロッソのセバスチャン・ブルデー、ホンダのルーベンス・バリチェロなどはQ1で姿を消しました。

Q2

Q2に突入すると、ルノーのフェルナンド・アロンソにトラブルが発生し、タイムを記録できないままセッションを終えました。フェラーリのマッサが1'44.014で暫定トップに立ち、ライコネンもQ3進出を確実にしました。マクラーレンのハミルトンは、当初上位に入れず苦戦しましたが、最終的にはギリギリでQ3へと進みました。一方、トヨタのヤルノ・トゥルーリやホンダのジェンソン・バトンはここで脱落しました。

Q3

Q3では、マッサが1'45.491でトップに立ち、続いてハミルトンやライコネンが続く形で序盤を終えました。しかし、最後のアタックでマッサが1'44.801を叩き出し、見事ポールポジションを獲得しました。これにより、彼は今シーズン5回目、通算14回目となるポールポジションを手にしました。

決勝

決勝日のスタート時には、特に大きなクラッシュも無く、順調なスタートが切られました。しかし、トゥルーリは1ストップ戦略を採用していたため、ペースが遅く、他のマシンとの間に大きなギャップが開いてしまいました。13周目にはネルソン・ピケがクラッシュし、セーフティカーが導入されます。

ピットインが行われる中で、マッサのピット作業がミスによりトラブルに見舞われ、給油ホースを引きちぎってしまいました。これにより、貴重なタイムを失い、さらにはエイドリアン・スーティルの進路を妨害したとして、ドライブスルーペナルティも受ける羽目に。

リスタート後、ロズベルグがトップに立ち、その後アロンソが首位に上がる場面も見られました。50周目にはマッサがスピンしてしまい、リタイアとなる事件もありました。さらにライコネンも衝突リタイアを果たし、予期せぬ展開が続きました。

結局、優勝したのはアロンソで、続くロズベルグ、ハミルトンが2位と3位に入賞しました。この際、ハイドフェルドは25連続完走の新記録を樹立しました。

終わりに

レース後、ネルソン・ピケのクラッシュがチームの指示によるものではないかとの疑惑が浮上し、これが「クラッシュゲート」と呼ばれるスキャンダルへと発展しました。最終的にルノーは、ピケのクラッシュが意図的だったことを認め、チーム内での人事も大きな影響を受けました。この出来事は、F1の運営にも深刻な影響をもたらし、歴史に残る事件となりました。

もう一度検索