2010年コートジボワール大統領選挙

2010年コートジボワール大統領選挙

2010年コートジボワール大統領選挙は、2010年10月31日と11月28日に実施された、コートジボワールの大統領を選出するための選挙です。

選挙の概要

当初は2005年に実施される予定でしたが、内戦後の政治的混乱により延期が繰り返され、ようやく2010年に実施されました。2007年3月には政府と新勢力との間で和平合意（ワガドゥグ合意）が成立し、2009年4月には同年9月6日までに選挙が実施される予定であることが発表されました。その後、選挙日は2009年11月29日と発表されましたが、再度延期され、最終的に2010年に実施されることとなりました。

この選挙は、現職のローラン・バグボ候補と、かつて首相を務めたアラサン・ワタラ候補との対決となりました。バグボ候補は南部に、ワタラ候補は北部にそれぞれ強い支持基盤を持っており、地域的・民族的な対立が表面化する形となりました。緊迫した状況下で行われた第2回投票では、一部で暴力事件も報告されましたが、監視団は選挙は公正に行われたと評価しました。しかし、選挙管理委員会がワタラ候補の当選を発表した後、バグボ大統領は選挙結果に異議を申し立て、憲法評議会がバグボ大統領の当選を発表したため、両者が大統領就任を宣言し、深刻な政治危機へと発展しました。

国際社会の反応

国際連合、アフリカ連合、西アフリカ諸国経済共同体、欧州連合、アメリカ合衆国、旧宗主国であるフランスなどの国際社会は、ワタラ候補の当選を承認し、バグボ大統領に対して政権を譲渡するよう要求しました。バグボ大統領は国連平和維持軍の即時撤退を要求しましたが、国際連合安全保障理事会はこれを拒否し、派遣期間の延長を決定しました。また、世界銀行はバグボ政権に対する支援を凍結しました。この混乱は、カカオ価格の上昇も招きました。

政治危機の終結

2011年4月11日、ワタラ陣営がバグボ大統領を拘束し、5月には憲法評議会もワタラ候補を当選者として認定し、一連の騒動は終結しました。

この選挙は、コートジボワールの政治的安定にとって大きな試練となりました。選挙後の混乱は、コートジボワールの社会に深い傷跡を残しましたが、ワタラ大統領の下で、コートジボワールは徐々に安定を取り戻しつつあります。

選挙後、バグボ大統領は国際刑事裁判所（ICC）に引き渡され、人道に対する罪で起訴されました。ワタラ大統領は、国民和解に向けて様々な取り組みを行っています。

関連項目

* 2010年コートジボワール危機

この選挙は、コートジボワールだけでなく、アフリカ全体の民主主義にとっても重要な教訓となりました。

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