2010年シンガポールグランプリ

2010年シンガポールグランプリの詳細

2010年シンガポールグランプリは、2010年F1世界選手権の第15戦として、9月26日にシンガポール市街地コースで開催されました。このレースは、正式には「2010 FORMULA 1 SingTel Singapore Grand Prix」と称され、その名の通り、シンガポールの夜の街を舞台に行われました。

コースの改修

今回のレースに向けて、シンガポールの市街地コースには一部改修が施されました。路面が非常にバンピーであったため、一部再舗装が行われ、特にターン10のシケインが改善されました。これにより、ドライバーがよりスムーズに走行できるよう配慮されています。

予選および決勝レース

レース前夜の予選では、特に目立った動きがありました。ウィリアムズのニコ・ヒュルケンベルグはギアボックス交換のため、スタート直前に5グリッド降格となりました。さらに、予選で最後尾となったフェリペ・マッサ（フェラーリ）は、9基目のエンジンを新たに投入し、ギアボックスも交換してスタートを切りました。トロ・ロッソのハイメ・アルグエルスアリは、ピットスタートを選択しました。

レースのスタートでは、ポールポジションを獲得したフェルナンド・アロンソ（フェラーリ）がセバスチャン・ベッテル（レッドブル）を抑えて首位を維持します。序盤の順位は、アロンソ、ベッテル、ルイス・ハミルトン、ジェンソン・バトン、マーク・ウェバーという予選の結果通りでした。

セーフティカーと接触

レースは3周目にビタントニオ・リウッツィ（フォース・インディア）のマシンがコース上で停止したことでセーフティカーが導入され、その後のピットストップも戦略に大きな影響を与えました。特に、34周目には小林可夢偉（ザウバー）がミスによりタイヤをパンクさせてしまい、ウォールにヒット。続いてブルーノ・セナ（ヒスパニアレーシング）も小林に接触する状況となり、2度目のセーフティカーが展開されました。

終盤の攻防

レースが再開されると、ウェバーは周回遅れのバージンのマシンに苦しみ、そんな中、ハミルトンが接触を試みますが、衝突によりハミルトンは無念のリタイアとなってしまいます。この時点で、上位陣はアロンソ、ベッテル、ウェバー、バトンという状況で、複雑な戦略が成り立っていました。

レースの終盤には、ベッテルがアロンソに迫る展開が見られ、0.2秒差まで執拗に追い上げますが、アロンソは最後まで守り切り、見事な勝利を果たしました。アロンソにとって、この勝利は2010年シーズンの4勝目であり、同グランプリの2度目の優勝でもあります。

最終結果は、1位がアロンソ、2位がベッテル、3位がウェバー、4位がバトン、5位がニコ・ロズベルグ、6位がルーベン・バリチェロ、7位がロバート・クビサ、8位がアドリアン・スーティル、9位がヒュルケンベルグ、10位がマッサとなりました。

また、アロンソの優勝は、2004年のミハエル・シューマッハ以来6年ぶりのグランドスラム達成を予感させるものでした。なお、レース後、No.14とNo.10にはシケインをショートカットしたとして20秒のペナルティが科されることとなります。

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