2011年の読売ジャイアンツ

2011年の読売ジャイアンツのシーズンレビュー

2011年の読売ジャイアンツは、特異なシーズンとなりました。この年は原辰徳監督のもと、6年目のシーズンであり、さらに言えば通算8年目という節目の年でした。特に、3月11日に発生した東日本大震災が大きな影響を及ぼしました。このため、開幕が遅れ、チームは予想外のスタートを切ることになりました。

新たに導入された低反発の統一球に巨人の打線は苦しむことになり、長距離打者を揃えていた打撃陣はシーズン序盤から低迷を余儀なくされました。特に、当時首位を走っていたヤクルトに対しては、敵地での対戦で1勝9敗という大差をつけられる結果となりました。シーズン初期の打撃不振は、チーム全体に暗い影を落としました。

しかし、シーズンの後半に入ると、巨人の打線が徐々に復調を見せ始め、チームの状態は確実に良化していきました。この状況の変化とともに、首位のヤクルトがつまづきを見せたことが、巨人にとって追い風となりました。9月以降は中日、ヤクルトとの優勝争いが熾烈になり、最終的に中日が優勝を果たしました。巨人はその後、クライマックスシリーズの第1ステージでヤクルトに敗れ、悲願の日本シリーズ出場は叶いませんでした。

また、シーズン中にはさまざまな出来事がありました。特筆すべきは、シーズンを通じての選手たちの活躍です。特に小笠原道大選手は、2000本安打を達成し、若手選手も活躍を見せました。ただし、チームとしての成績は3位で終わったため、全体としては物足りない結果に終わったと言えるでしょう。

オフには、清武英利GMが上層部に反発し、いわゆる「清武の乱」が起こるなど、球団内での騒動も見受けられました。その結果、清武はGMの職を追われ、新たにスポーツの振興に向けた新たな職務を授かるなど、組織の再構築が求められました。この混乱の中で、新たな人事や選手の補強が模索され、シーズン後のチームのあり方が問われる年となりました。

主な出来事のまとめ

• - 1月: 長嶋一茂がアドバイザーとして新たに就任し、シーズンのスローガンが「結束」と発表された。
• - 4月: 初の地方球場での開幕戦でヤクルトに勝利。
• - 5月: 小笠原選手が通算2000本安打を達成し、ラミレス選手が球団連続出場記録を樹立。
• - 9月: 阿部慎之助が捕手による連続守備機会無失策記録を更新。
• - 10月: 最終戦で長野選手が日本プロ野球史上初の代打逆転サヨナラ満塁本塁打を記録。
• - 11月: 清武英利が組織内の問題を表明し解任され、新しい体制が構築される事態に。
• - 12月: 新外国人選手の獲得やトレードが発表され、新たなシーズンに向けた動きが見られる。

このように、2011年の読売ジャイアンツは、激動の一年であり、チームの未来に向けた転機となったシーズンでした。

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