2011年カナダ総選挙

2011年カナダ連邦議会選挙の概要

2011年5月2日に実施されたカナダ連邦議会選挙は、カナダの立法府である庶民院（下院）を構成する議員を選出するための重要な選挙でした。本選挙は、3月25日に庶民院で内閣不信任案が可決されたことにより行われ、与党であるカナダ保守党が過半数を維持できるかが注目されました。この選挙は接戦となり、結果的に保守党は2006年以来初めて過半数を獲得することに成功しました。

基礎データ

• - 定数: 308議席
• - 選挙制度: 小選挙区制
• - 選挙権: 18歳以上のカナダ国民
• - 被選挙権: 18歳以上のカナダ国民
• - 不在者投票制度: 特別投票制度があり、一定の条件を満たす有権者は国外に居住している場合や、遠隔地に住む者などが利用できます。
• - 登録有権者数: 23,971,740名

投票率は61.4%に達し、前回選挙と比べてやや改善されました。その結果、投票者数は14,720,580名となりました。

選挙結果

ハーパー政権与党のカナダ保守党は、前回選挙と比較して得票率が2%弱の増加にとどまりましたが、それでも308議席中166議席を獲得し、庶民院において2006年以来続いていた少数与党の状態を解消しました。一方、選挙前から支持を伸ばしていた社会民主主義政党の新民主党が、主にケベック州での支持を強化し、約31%の得票を得た結果、議席を大きく増やし103議席を獲得しました。これにより、新民主党は自由党を抜いて初めて野党第1党の地位を得ました。

一方、歴史的に与党または最大野党の立場を保持してきた自由党は、わずか34議席を獲得し、過去最低の得票率11%弱に終わりました。さらに、ケベック州を拠点とする分離独立を主張する地域政党であるケベック連合も、新民主党の支持拡大により議席数が47から4に減少し、公認政党の地位を失う結果となりました。

環境保護政党である緑の党は、党首のエリザベス・メイがブリティシュ・コロンビア州で当選し、初めて議席を獲得しました。また、この選挙では、庶民院で過去最多となる76名の女性が当選しました。これにより、カナダの政治において多様性がさらに進展することが期待されています。

このように、2011年のカナダ連邦議会選挙は、選挙結果からも明らかなように、政治的な力関係が大きく変わる歴史的な出来事となりました。特に、新民主党の躍進と自由党の後退は、次の選挙に向けた重要な指標となるでしょう。

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