2011年チリ空軍輸送機墜落事故

2011年チリ空軍輸送機墜落事故

2011年9月2日、チリ空軍のCASA C-212中型輸送機が、サンティアゴからロビンソン・クルーソー島へ向かう途中に太平洋上で墜落しました。この事故により、搭乗していた乗員乗客21名全員が命を落とすという痛ましい結果となりました。

この輸送機には、チリ国営テレビ（TVN）のスタッフが乗っており、人気司会者のフェリペ・カミロアガ氏やジャーナリストのロベルト・ブルーセ氏も犠牲となりました。彼らは、2010年のチリ地震からの復興状況を伝えるため、ロビンソン・クルーソー島へ向かう予定でした。

事故の経緯

事故機は、チリ空軍第10輸送隊が運用するCASA C-212型機で、2010年のチリ地震発生以降、救援活動を支援していました。事故当日、乗客17名と乗員4名を乗せた機体は、サンティアゴのアルトゥーロ・メリノ・ベニテス国際空港を13時52分（UTC 16時52分）に出発し、ロビンソン・クルーソー空港を目指しました。

悪天候と強風に悩まされながらも、約3時間かけてロビンソン・クルーソー島付近に到着。着陸のため、いったん飛行場上空を通過し、反対側からのアプローチを試みましたが、強い横風のため着陸を断念。再度着陸を試みるために上昇した直後、16時48分に飛行場職員が低空で大きく旋回する機体を目撃しました。その後、機体は丘に隠れて見えなくなり、そのまま消息を絶ちました。

機体はロビンソン・クルーソー島とサンタ・クララ島の間の海域に墜落し、乗員乗客全員が死亡。事故発生後、地元の漁師や住民によって、海に漂う複数の遺体が発見されました。

この事故は、チリ空軍にとって1977年の事故に次ぐ最悪の航空事故となりました。

事故機について

事故機は、機体記号966のCASA C-212 300DF型で、1994年に製造された機体でした。

犠牲者

犠牲者の中には、チリ国営テレビの人気司会者であるフェリペ・カミロアガ氏が含まれていました。彼は、地震からの復興状況を番組「ブエノス・ディアス・ア・トドス」でリポートするため、ジャーナリストのロベルト・ブルーセ氏や番組スタッフと共に同島へ向かう予定でした。

また、慈善家で起業家のフェリペ・クビジョス氏も、地震被災者の支援活動のために搭乗していました。

事故調査

事故調査官は、機体がダウンウィンド・レッグの針路で飛行場周辺を650フィートで飛行中、突然コントロールを失い、機体が転回に近い形で高度を失い、海面に激突したと結論づけました。海抜1フィートという低高度での制御不能が、事故の直接的な原因とされました。

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