2012年の気象・地象・天象

2012年（平成24年）は、世界各地で異常気象や大規模な自然災害が多発した年でした。日本では、大雪や竜巻、記録的な豪雨に見舞われ、海外では、地震や洪水などにより多くの犠牲者が出ました。また、天体現象では、金星の日面通過や金環日食などが観測されました。

1月
ブラジル南東部では、年末からの大雨により、1月10日までに約30人が死亡しました。

2月
日本海側では大雪となり、2月2日には全国の観測地点の26%で平年値の2倍以上の積雪を記録しました。この大雪により、16日までに103人が亡くなりました。
オーストラリア東部では、大雨による大規模な洪水が発生し、1万人以上が孤立しました。
ヨーロッパ各地では厳しい寒波が襲来し、東ヨーロッパでは最低気温が氷点下35℃を下回りました。この寒波により、4日までに220人が亡くなりました。
日本では、菅平で氷点下29.2℃を観測し、本州12箇所で最低気温を更新しました。
アメリカ合衆国中西部では、竜巻が発生し、少なくとも12人が死亡、100人以上が負傷しました。
関東・甲信地方では、降雪により280人以上が負傷しました。

4月
急速に発達した低気圧が日本海を北東に進み、九州から東北にかけて暴風雨をもたらしました。東北の高地や北海道では暴風雪となりました。この低気圧により、3人が死亡、293人が負傷しました。

5月
北海道旭川市では、エゾヤマザクラの開花と満開が同日に発表されました。これは、気象庁が生物季節観測を始めて以来、全国で初めての事例でした。
ネパール中西部では洪水が発生し、少なくとも13人が亡くなりました。
茨城県と栃木県を中心に、竜巻や大型突風が発生し、7都県で1900棟以上の建物が損壊しました。茨城県つくば市では、中学生が死亡し、計61人が負傷しました。

6月
バングラデシュでは、集中豪雨により、少なくとも100人が亡くなりました。
アメリカ合衆国東部では、暴風雨により13人が亡くなりました。

7月
インド北東部では、大河の氾濫による洪水により、77人が亡くなりました。
青森県弘前市では、竜巻が発生し、63棟に被害が出ました。
ロシア南部では、大雨による大規模な洪水が発生し、少なくとも80人が亡くなりました。
グリーンランドでは、地表面氷床の融解が氷床全体の97%まで拡大しました。
大分県と熊本県では、梅雨末期の豪雨が発生しました。
九州北部では、記録的な大雨となり、気象庁は「平成24年7月九州北部豪雨」と命名しました。
中国北京市では、観測史上最大の雨量212mmを記録し、77人が亡くなりました。
北朝鮮では、豪雨による洪水で88人が亡くなりました。

10月
アメリカ合衆国ニュージャージー州南部にハリケーン・サンディが上陸し、アメリカとカナダで33人が亡くなりました。

11月
発達した低気圧の影響で、北海道を中心に北日本で暴風雪となり、北海道襟裳岬で42.1mの最大瞬間風速を記録しました。この影響で、北海道胆振地方では大規模な停電が発生しました。

12月
フィリピン南部では、台風24号により、1020人が死亡、620万人が被災しました。
南極の昭和基地で約9年ぶりに降雨が観測されました。
ウクライナでは、1週間以上続く寒波により、83人が亡くなりました。
ロシアでは、10日以上続く寒波により、120人以上が亡くなりました。
寒波の影響で、日本では、60地点で12月としての最低気温を更新し、青森県酸ヶ湯では積雪が297cmに達し、12月としての積雪記録を更新しました。

地象

2012年は、M5～6クラスの地震が多数発生しました。最大震度は5強（4回）で、最大規模はM7.3（12月7日：三陸沖）でした。

1月
鳥島近海でM7.0の地震が発生しました。
インドネシア・スマトラ島沖でM7.3の地震が発生しました。
イラン北東部でM5.5の地震が発生し、負傷者が100人出ました。
富士山から北東30kmの場所でM5前後の地震が4回発生しました。
ペルーでM6.3の地震が発生し、96人が負傷しました。

2月
バヌアツ沖でM6.9の地震が発生しました。
フィリピン中部でM6.8の地震が発生し、43人が亡くなりました。

3月
鹿児島県桜島で爆発的噴火が発生しました。
三陸沖を震源とするM6.9の地震が発生し、津波を観測しました。また、その約3時間後には、千葉県東方沖を震源とするM6.1の地震が発生し、千葉県銚子市などで震度5強を観測しました。
メキシコ南部でM7.4の地震が発生しました。

4月
インドネシアのスマトラ島沖でM8.6の地震が発生し、スマトラ島で津波が発生しました。
メキシコ中西部でM6.5の地震が発生しました。
メキシコのバハカリフォルニア州周辺でM7.1の地震が発生しました。
メキシコのポポカテペトル山が噴火しました。

5月
イタリア北部で地震が多発しました。29日のM5.8の地震では、少なくとも15人が亡くなりました。
鹿児島市桜島で爆発的噴火が発生しました。

6月
アフガニスタンでM5.7の地震が発生し、80-90人が亡くなりました。
中国雲南省と四川省の境界付近でM5.7の地震が発生し、4人が亡くなりました。

8月
ニュージーランド北島のトンガリロ山が噴火しました。
イラン北西部でM6.4とM6.3の地震が発生し、250人以上が亡くなりました。
択捉島の焼山が噴火しました。
フィリピン沖でM7.6の地震が発生し、日本でも津波を観測しました。

9月
中米コスタリカでM7.6の地震が発生しました。
中国南西部でM4.8-5.6の地震が4回発生し、80人以上が亡くなりました。
中米ニカラグアのサンクリストバル山が3回噴火しました。

10月
カナダ西方沖でM7.7の地震が発生し、ハワイで津波を観測しました。

11月
中米グアテマラでM7.4の地震が発生し、48人が亡くなりました。
ミャンマーでM6.8の地震が発生し、少なくとも13人が死亡しました。
ニュージーランドのトンガリロ山が115年ぶりに噴火しました。
カムチャッカ半島のプロスキイ・トルバチク火山が噴火しました。

12月
三陸沖を震源とするM7.3の地震が発生し、宮城県石巻市で1mの津波を観測しました。
台風被災直後のミンダナオ島でM5.8の地震が発生しました。
インドネシア沖でM7.1の地震が発生しました。
南米のコパウエ火山が噴火しました。

水象

2月
長野県の諏訪湖で御神渡りが4年ぶりに確認されました。

11月
イタリア北部で強い風雨があり、ベネチアで海水が通常よりも149cm上昇し、市中心部の約70%が冠水しました。

天象

1月
ノルウェー北部で、太陽のコロナガス噴出に起因する磁気嵐の影響と思われるオーロラが観測されました。

2月
木星における水星の日面通過がありました。

3月
太陽フレアX5.4が発生しました。
土星における水星の日面通過がありました。

5月
スーパームーンが世界各地で観測されました。
土星における金星の日面通過がありました。
金環日食が観測されました。

6月
部分月食がありました。
地球における金星の日面通過がありました。
直径約500mの地球近傍天体が地球近傍を通過しました。
土星における水星の日面通過がありました。

7月
木星食がありました。

8月
金星食がありました。

9月
木星における金星の日面通過がありました。
土星における水星の日面通過がありました。

11月
皆既日食が観測されました。
半影月食がありました。

12月
金星における水星の日面通過がありました。
* 土星における金星の日面通過がありました。

2012年は、世界各地で多くの自然災害が発生し、多くの犠牲者が出た年でした。また、天体ショーも多く観測され、地球の自然の力と宇宙の神秘を改めて感じさせられる年でした。

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