2012年アメリカ合衆国大統領共和党予備選挙

2012年アメリカ合衆国大統領共和党予備選挙について

2012年のアメリカ・共和党の大統領予備選挙は、次期大統領候補を選出する過程を示す重要なイベントとなりました。今回の予備選挙は、全米各州で行われる予備選や党員集会を通じて代議員を争い、最終的に選ばれるのは共和党の大統領と副大統領候補です。代議員の総数は2,286人で、過半数の1,144人が必要とされます。

＼## 選挙制度とその変更
これまでの共和党の予備選挙は、各州で勝者が全ての代議員を獲得する「勝者総取り方式」が採用されていましたが、2012年の選挙からは「比例方式」が導入されました。この方式では、各候補者が得た票の割合に応じて代議員が配分されます。ただし、得票率が最も高い候補には優先的に代議員が割り当てられる州もあります。特に序盤の1月から3月には比例方式が適用され、その後は勝者総取り方式が許可されることから、選挙戦は長期化しました。このような制度変更は、過去の経験から来ており、党大会までの決着がなかった1976年の状況を彷彿とさせるものとなりました。

争点と候補者の激闘

候補者たちは、全米各地での討論会や集会を通じて、さまざまなテーマで激しい議論を交わしました。議論の中では相手の弱点を突くような中傷合戦が目立ち、特に支持率の高い候補者に対する集中攻撃が行われました。この結果、共和党内でも候補者の対立が表面化し、「しこりが残る」との懸念が生じました。

特に、オバマ政権からの政権奪回は全候補者の共通の目標でした。共和党はオバマ政権の政策を「大きな政府」や「社会主義」と批判し、富裕層寄りの立場を取る自らの政策と対峙していました。2021年に導入された医療保険制度改革「オバマケア」は、特に激しい対立の焦点となりました。

経済と雇用問題

選挙戦の中で、多くの有権者が最も重視するのは雇用や経済問題だという結果が示されました。リーマン・ショック以降、経済が低迷している中で、どのように経済を回復させるかが大きな争点でした。オバマ政権への評価は厳しく、多くの世論調査で不支持が上回っていたため、このテーマはより重要視されることになったのです。

外交と安全保障の焦点

オバマ政権下でイラク戦争が終結したため、比較的軍事問題は主要な議題にはならず、アフガニスタン戦争においても各候補者は撤退または縮小の立場を採っていました。

宗教と価値観の影響

宗教的な価値観も候補者選びにおいて重要な要素であり、人工妊娠中絶や同性婚といったテーマについての立場が支持を左右しました。宗教保守層の影響力が高まっていく中で、候補者らはこの層からの支持を得るために競い合いました。

選挙戦の進行と結果

選挙戦は1月3日のアイオワ州から始まり、ロムニーやサントラムといった候補者たちが激しい接戦を繰り広げました。アイオワ州の結果が注目を集めた後、次々と候補者が撤退し、ロムニーが支持を集めていきました。3月に行われた「スーパーチューズデー」では、ロムニーが圧倒的に優位に立つ展開となりました。

その後、候補者間の争いが続きましたが、次第にロムニーが優位に進展。最終的には、サントラムが選挙戦から撤退し、ロムニーが共和党の候補者として名を馳せる結果となりました。選挙戦における資金調達や広告戦略も大きな要素で、特に「スーパーPAC」が活動を強化し、選挙の行方を大きく左右しました。

まとめ

2012年アメリカ合衆国大統領共和党予備選挙は、候補者の選定が複雑で長期化した選挙となりました。それぞれの候補が強い信念を持って選挙戦に臨んだ結果、多くの議論とそれに伴う支持層の変化が見られ、次期大統領選挙への道のりを特異な形で彩りました。

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