2012年ドイツグランプリ

2012年ドイツグランプリの詳細

2012年ドイツグランプリは、F1世界選手権の第10戦として7月22日にホッケンハイムリンクで行われました。この年のグランプリは正式には「Formula 1 Grosser Preis Santander von Deutschland 2012」と呼ばれており、久しぶりにホッケンハイムでの開催となります。過去のグランプリはニュルブルクリンクとの交互開催が行われていたため、ホッケンハイムリンクでのレースは2010年以来のことでした。また、この大会はピレリタイヤの導入後初、そしてDRS（ドラッグリダクションシステム）が使われる初めてのレースでもあり、注目が集まりました。

予選

ホッケンハイムは通常、夏には気温が高くなることが多いのですが、2012年の予選は雨で濡れた路面で開催されました。予選は3つのセッションに分かれており、序盤のQ1では終盤に雨が本格的に降り始めました。この影響で多くのドライバーが苦しむ中、これまで全戦でトップ10に進出していたロマン・グロージャンはQ2で脱落してしまいます。

Q3では雨が上がったものの、コースには水たまりが残り、非常に難しいコンディションでした。それでも、フェルナンド・アロンソは巧妙にタイヤ交換のタイミングを見極め、1セット目から2セット目のレインタイヤに変更していち早くトップタイムを記録します。彼は前戦イギリスグランプリに続き、厳しい条件をものともせずに予選を制しました。また、ポイントランキングで2位のマーク・ウェバーは3番手タイムを記録したものの、ギアボックス交換により5グリッド降格のペナルティを受けました。これにより、セバスチャン・ベッテル、ミハエル・シューマッハ、ニコ・ヒュルケンベルグの3人が2〜4番グリッドに並びます。一方、ドライコンディションで好調だったマクラーレン勢は、ウェット路面ではタイヤ温度不足に悩まされました。

決勝

決勝レースは気温21度、路面温度29度の比較的涼しいコンディションで始まりました。ポールポジションのアロンソは素晴らしいスタートを切りましたが、13番手スタートのフェリペ・マッサはフロントウイングを失い、グロージャンやセナもオープニングラップで緊急ピットインが迫られます。3周目にはハミルトンが左リアタイヤのトラブルでピットインし、22番手まで後退しました。

上位勢が一度目のピットストップを終えた時点で、アロンソ、ベッテル、バトン、ライコネン、シューマッハ、ヒュルケンベルグ、ペレス、ウェバー、小林が続きます。ベッテルはDRSを駆使して首位へのチャンスを狙いますが、アロンソは要所を押さえつつリードを維持しました。すると、周回遅れのハミルトンがペースを上げ、ベッテルを追い越す場面があり、これに対してベッテルは明らかに不満を示しました。その後、ベッテルがランデブーに失敗したことでバトンに抜かれ、最終的にはアロンソ、バトン、ライコネンが表彰台に立つことになりました。

レース終盤、アロンソとバトンが1秒以内で接近する中、ベッテルが追い上げを見せましたが、バトンがペースを落としていくのを見ながら、アロンソはリードを広げました。ベッテルは残り2周でバトンにオーバーテイクを試みるものの、コース外からのアプローチが問題視され、最後には20秒のペナルティを受けて5位に降格しました。最終的にアロンソが今季3勝目を飾り、バトン、ライコネンが続く結果となりました。小林は自身の最高位となる4位を獲得しました。

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