2012Spark

2012Spark：ポルノグラフィティの意欲作

2012年2月8日、SME Recordsより発売されたポルノグラフィティの35枚目となるシングル「2012Spark」。前作「ゆきのいろ」から約3ヶ月ぶり、2012年最初のシングルとして、大きな注目を集めました。

映画主題歌としての誕生

このシングルは、2012年2月11日に公開された映画『逆転裁判』の主題歌として書き下ろされました。ポルノグラフィティにとって、「今宵、月が見えずとも」以来9作ぶり4度目となる映画主題歌タイアップです。映画の緊迫感とスリリングな展開を反映した楽曲は、彼らの音楽性を新たなステージへと押し上げました。作詞は新藤晴一、作曲は岡野昭仁が担当し、編曲はtasukuとポルノグラフィティの共同作業によって、楽曲に深みと奥行きが加えられています。

新しい試みとこだわり

「2012Spark」は、タイトルにも数字が用いられているように、他の収録曲も数字をタイトルに含むという特徴があります。これは、2011年の東日本大震災を経験した上での、2012年への決意表明とも捉えることができます。「Spark」という言葉には、「火花」「閃光」「生気」「活力」といった力強い意味が込められ、楽曲全体に勢いとエネルギーが漲っています。

ミュージックビデオの制作においては、日本のミュージックビデオとしては初めてトピックライト（レーザー照明）を導入。CGを一切使用しないリアルな映像表現で、レーザーの光と影が織りなす幻想的な世界観を創り出しています。このミュージックビデオはYouTubeで公開され、大きな反響を呼び、50万回を超える再生回数を記録しました。

多彩な収録曲

シングルには表題曲「2012Spark」以外にも、2曲が収録されています。「9.9㎡」は、岡野昭仁が作詞作曲を担当した楽曲で、テンポと転調がめまぐるしく変化する、激しい曲調が特徴です。隣り合う部屋に住む二人の人物を通して、現状打破への葛藤と、前向きに未来へ踏み出そうとする主人公の心情を描いた、メッセージ性の強い楽曲です。編曲は江口亮が担当し、その斬新なアレンジは、メンバーにも大きな衝撃を与えました。

そして、「ハネウマライダー 〜幕張Ver.〜 Studio Session」は、2011年に行われた『幕張ロマンスポルノ'11 〜DAYS OF WONDER〜』で披露された「ハネウマライダー」のライブバージョンを再現したスタジオセッションです。初回限定盤のCDとDVDの両方に収録され、ライブの臨場感を味わうことができます。

そして、時代へのメッセージ

「2012Spark」は、単なる楽曲にとどまらず、2012年という時代を反映したメッセージソングでもあります。東日本大震災からの復興、そして社会全体が抱える課題を背景に、未来への希望と、新たな出発への決意が込められています。楽曲のメッセージは、各メディアでも高く評価され、多くの評論家から賞賛されました。楽曲の持つ力強さと、社会への深い洞察は、リスナーの心に深く響くものだったと言えるでしょう。

このシングルは、ポルノグラフィティの音楽性とメッセージ性を改めて示した、記念すべき作品と言えるでしょう。音楽史に刻まれる、彼らの代表曲の一つです。

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