2013年のインディ500

2013年5月26日、インディアナポリス・モーター・スピードウェイにて、第97回インディ500が開催されました。2013年インディカー・シリーズの第5戦として、全車ダラーラDW12シャシーとファイアストンタイヤを使用して行われたこのレースは、数々の記録を塗り替え、記憶に残るものとなりました。

予選は2日間にわたって行われました。初日である「ポール・デイ」では、まず24台の暫定予選通過者を決定。その後、上位9名による「ファスト9」でポールポジションが争われました。天候の影響で予選開始時間が遅れたため、予選時間は短縮され、「ファスト9」も1回限りのアタックとなりました。ファスト9に進出した9台は、その時点で予選通過と順位が確定しました。

2日目の「バンプ・デイ」は、残りの9枠をかけた予選が行われました。34台のエントリーがあったため、1台が予選落ちする可能性がありましたが、マシントラブルによりアタックできなかった1台があり、バンプアウトは発生しませんでした。結果、10位から24位までのドライバーも予選通過が確定しました。

決勝レースでは、予想をはるかに超えるドラマが展開されました。まず目を引くのは、実に68回にも及んだリードチェンジです。これは前年の34回を大幅に上回る数字であり、レース展開の激しさを物語っています。また、ラップリーダーも14人に上り、1993年の記録を更新しました。さらに、完走台数は27台。これは1911年の第1回大会以来破られていなかった記録を更新する快挙でした。

コース上の状況も、記録的なものとなりました。フルコース・コーション（全車徐行）が入らなかった連続周回数は133周。これは1976年以来の最長記録です。一方、フルコース・コーションによる周回数は21周。これも1976年と並ぶ最小タイ記録でしたが、1976年は雨で102周でレースが打ち切られたことを考慮すると、2013年のレースの安定性を示す結果と言えるでしょう。

そして、このレースの優勝者はトニー・カナーン。彼は、カーナンバー11をつけた初の優勝者となりました。彼の平均速度は187.433マイルで、1990年のアリー・ルイエンダイクの記録を上回り、新たな最速記録を樹立しました。

このように、2013年のインディ500は、多くの記録が更新・塗り替えられた、まさに歴史的なレースとなりました。予選から決勝まで、様々なドラマが凝縮されたこのレースは、多くのファンに興奮と感動を与え、インディ500の歴史に大きな足跡を残しました。予選の天候、決勝での激しい順位争い、そして数々の記録更新。これらの要素が絡み合い、忘れられないレースとなりました。

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