2015年サーブ・エア エアバスA310着陸失敗事故

2015年サーブ・エア エアバスA310着陸失敗事故

2015年12月24日、コンゴ民主共和国のムブジマイ空港で発生した航空事故について解説します。

事故概要

ルブンバシ国際空港発ムブジマイ空港行きであった、サーブ・エアの貨物便（エアバスA310-304F、機体記号9Q-CVH）が、ムブジマイ空港への着陸時に滑走路をオーバーランしました。

乗員5名は全員無事でしたが、地上の8名が死亡、9名が負傷するという痛ましい事故となりました。

事故機の情報

機体: エアバスA310-304F
機体記号: 9Q-CVH
初飛行: 1986年3月
過去の経緯:
1986年5月：エア・インディアへ納入（機体記号: VT-EJI）
2008年4月：貨物機へ改修
2013年：サーブ・エアが購入
2006年8月28日：ナイロビでの離陸中止時にタイヤが全て破裂する事故

航空会社について

サーブ・エアは、コンゴに拠点を置く貨物航空会社です。元々はサービス・エアとして設立されました。

2006年3月22日にはEU域内への飛行を禁止されています。2015年6月に会社名をサーブ・エアへ変更しました。

この事故は、同社が起こした死亡事故としては最悪のものです。

事故の経緯

事故当日、現地時間16時30分に、A310はムブジマイ空港の滑走路17へ着陸進入しました。

目撃者の証言によると、事故機は既に2回の着陸復航を行っており、3度目の着陸で滑走路の中央付近に接地しました。しかし、機体は滑走路内で停止することができず、住宅地に突っ込んでしまいました。

これにより、数軒の家屋が破壊され、機体も大きく損傷しましたが、乗員5名は全員無事でした。しかし、地上の8名が死亡し、9名が負傷するという大惨事となりました。

機体は最終的に滑走路から500メートルほどの地点で停止しました。

パイロットは州知事に対し、事故原因はブレーキの故障であると説明しています。

また、地元のメディアは、事故当時は雨が降っており、視界が非常に悪かったと報道しています。

事故調査

コンゴの事故調査委員会が事故調査を開始しました。

事故翌日、州知事は地上での死者は7名が女性、1名が少年であったと発表しました。また、オーバーランの原因は滑走路の問題ではなく、天候が原因であるとの見解を示しました。

空港の安全性

ムブジマイ空港の滑走路については、以前から安全性への懸念が指摘されていました。

2015年8月19日：コロンゴ航空のボーイング737-300が離陸する際に、滑走路のターマックスラブが水平安定板に衝突する事故が発生
コンゴ・エアウェイズ：12月8日に滑走路の安全性への懸念からムブジマイへの飛行を取り止め
* コンゴ当局：12月20日に滑走路を調査し、ムブジマイ空港の滑走路は古くなっているものの、実用的であるとの見解を示す

まとめ

2015年のクリスマスイブに発生したこの事故は、多くの犠牲者を出す悲劇となりました。事故原因の究明とともに、ムブジマイ空港の安全性向上策が求められます。

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