2015年改正危険薬物法

ジャマイカにおける大麻規制の緩和

2015年4月15日、ジャマイカ政府は大麻の規制を緩和する『危険薬物法改正法』を施行しました。この法律は、一般に「ガンジャ法」と呼ばれ、医療や宗教の観点から大麻の使用を認める内容を含んでいます。法律の施行によって、ジャマイカ国内における大麻の位置付けは大きく変化しました。

ガンジャの使用の自由

新たに制定されたこの法律では、医療目的、またはラスタファリストの信仰に基づく目的でガンジャ（大麻の一種）の使用が合法となりました。医療の場では、特にがんや重篤な慢性疾患を持つ患者は、ガンジャ由来の医薬品を輸入することができ、治療に役立てることが認められています。また、ラスタファリの信仰に基づいて、精神的な指導としてガンジャを使用することも許可されているのです。

大麻所持の規制

法律によれば、2オンス（約56グラム）以下のガンジャを所持することは、法的な意味では交通違反のような扱いとなり、逮捕されることはありません。しかし、持ち込むことができるガンジャの量は制限されており、2オンスを越える所持は刑事罰の対象とされます。さらに、公の場での喫煙は禁止されており、これも罰金が科される対象となります。

社会的な影響とラスタファリ

ラスタファリの教えは、ジャマイカの文化と歴史に深く根付いており、彼らは自らの信仰を守るためにとりわけガンジャに依存しています。「黒人と白人の抑圧者に死を」を意味するナイヤビンキの儀式では、定期的にガンジャを喫煙し、精神的な結束を図る場となっています。

また、ガンジャ所持が理由で警察と衝突することもあり、社会問題として取り上げられることも少なくありません。特に18歳未満や大麻中毒者が公共の場で吸引している場合、警察は金銭的な罰を科すだけでなく、国の薬物対策機関に関連データを提供する権限も持っています。これは、薬物使用に対する予防的なアプローチを示しています。

罰則と責任

もし罰金の支払い命令を遵守しなかった場合、簡易裁判所への出廷が必要となり、社会奉仕活動が命じられることがあります。そうした活動も行えない場合、追加の罰金が科されるリスクがあるため、注意が必要です。これにより、違反者は刑事記録が残る可能性があるため、慎重な行動が求められます。

このように、ジャマイカの危険薬物法改正は、大麻の使用に関してさまざまな面での変化をもたらしました。今後、この新しい法律がどのように社会に受け入れられていくのか、またその影響がどのように現れるのかが注目されています。

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