2016年ブラジルグランプリ

2016年ブラジルグランプリ：雨とドラマが織りなす激戦

2016年F1世界選手権第20戦、ブラジルグランプリが11月13日、インテルラゴス・サーキットで開催されました。このレースは、ドライバーズチャンピオンシップを争うニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンの両雄の激闘、そして各チームの来季に向けた戦略が交錯する、重要な一戦となりました。

予選：メルセデスの独壇場

予選は曇天ながらドライコンディション。ハミルトンが3戦連続、シーズン11回目のポールポジションを獲得し、ロズベルグが2位と、メルセデスがフロントローを独占しました。3位にはキミ・ライコネンがつけました。

決勝：雨とアクシデントの連続

決勝は雨模様のウエットコンディション。スタート直後からアクシデントが発生し、セーフティカー導入、赤旗中断など、波乱の展開となりました。グロージャンのクラッシュ、エリクソンのクラッシュ、ライコネンの単独クラッシュなど、レースは何度も中断され、ドライバーたちは危険な状況下でレースを続けるかどうかの判断を迫られました。

レース終盤にかけても、フェルスタッペンやアロンソといったドライバーたちの激しい追い上げ、そしてマッサの惜別レースなど、ドラマチックな展開が続きました。特に、マッサのクラッシュの際には、多くの関係者から温かい拍手と賛辞が送られました。

ハミルトンは激しい雨の中、一度も首位を譲ることなく、見事3連勝を達成しました。ロズベルグは2位を守り、チャンピオンシップ争いを最終戦に持ち込みました。このレースでは、ザウバーのナッセが9位入賞を果たし、今シーズン初ポイントを獲得。ザウバーにとって、財政的な意味でも大きな意味を持つ貴重なポイント獲得となりました。さらに、アロンソも10位入賞により1ポイントを獲得しました。一方、オコンは入賞圏内を走行していたものの、12位でレースを終えました。

予想外の展開とチャンピオンシップ争い

激しい雨とアクシデントの影響により、レースは3時間を超える長丁場となりました。このレースの結果、ロズベルグとハミルトンのドライバーズチャンピオンシップ争いは12ポイント差となり、最終戦へと持ち越しとなりました。ロズベルグは、最終戦で表彰台に上がるか、ハミルトンが表彰台を逃せばチャンピオン獲得が確定する状況となりました。コンストラクターズ選手権では、レッドブルが2位、フェラーリが3位が確定。またフォース・インディアはペレス4位、ヒュルケンベルグ7位という好成績によりコンストラクターズ4位獲得に大きく近づきました。

来季に向けた動き

このブラジルグランプリでは、来シーズンのドライバーラインナップに関する発表も複数ありました。ウィリアムズはボッタスの残留とストロールの昇格を発表。フォース・インディアはオコンとの複数年契約を発表。ルノーはパーマーの残留とヒュルケンベルグの加入を発表しました。ハースはグロージャンの残留とマグヌッセンとの複数年契約を発表し、グティエレスはチームを離れることとなりました。

まとめ

2016年ブラジルグランプリは、雨とアクシデントによって予想外の展開となったレースでした。ハミルトンの優勝、そしてロズベルグの2位という結果により、ドライバーズチャンピオンシップは最終戦へと持ち越されました。各チームの来季に向けた動きも活発化し、今後のF1シーズンも目が離せない展開となっています。また、このレースでは、ベテランのマッサの引退レースが大きな感動を呼びました。彼のF1への貢献、そして、母国ブラジルでの最後のレースは、多くのファンにとって忘れられないものとなったでしょう。このレースは、まさにドラマと感動に満ちた、忘れられない一戦でした。

もう一度検索