2016年メキシコグランプリ

2016年メキシコグランプリ レースレビュー

2016年F1世界選手権第19戦、メキシコグランプリは、10月30日、エルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催された。このレースでは、ピレリがミディアム、ソフト、スーパーソフトの3種類のドライタイヤを用意した。

予選

10月29日に行われた予選では、ルイス・ハミルトンが2戦連続となるポールポジションを獲得。メルセデスはフロントローを独占した。予選Q1では、パワーユニットのトラブルに見舞われたダニール・クビアトや、スピンを喫したエステバン・グティエレス、そしてその影響を受けたロマン・グロージャンが脱落。さらに、ジョリオン・パーマーはFP3でモノコックにクラックが見つかり、予選への出走を断念した。Q2では、セルジオ・ペレスやマクラーレン勢が脱落。ニコ・ロズベルグは最終アタックでレッドブル勢を上回るタイムを記録したものの、ハミルトンには及ばず2位となった。グロージャンは予選後にフロアを交換したため、決勝はピットレーンスタートとなった。パーマーはタイムを出せなかったものの、スチュワードの判断により決勝への出走が許可された。

決勝

決勝レースは、ハミルトンがポール・トゥ・ウィンで優勝。通算51勝目を挙げ、アラン・プロストに並ぶ歴代2位タイ記録を達成した。スタート直後、ハミルトンはコースオフするもトップをキープ。その後方では、マックス・フェルスタッペンとロズベルグが接触、ロズベルグがコースオフを強いられた。さらに、グティエレスとウェーレインの接触事故によりセーフティカーが導入された。また、アロンソとサインツの接触により、サインツに5秒加算ペナルティが科せられた。

気圧が低くスリップストリームの効きづらいコース状況のため、レースは膠着状態となった。終盤、フェルスタッペンがロズベルグへのオーバーテイクを試みるも失敗、ベッテルとリカルドに追い上げられる展開に。ターン1でベッテルがオーバーテイクを仕掛け、フェルスタッペンはコースオフ。ショートカットしてコースに復帰したため、審議対象となった。その後、ベッテルとリカルドのバトルでは、ベッテルがブレーキング中に進路変更を行い、審議対象となった。最終的に、フェルスタッペンはコースオフで得たアドバンテージにより5秒加算ペナルティを受け5位に降格。ベッテルは一時3位に上がったものの、リカルドとのバトルでの進路変更により10秒加算ペナルティを受け5位に降格、リカルドが3位となった。この結果、リカルドのドライバーズランキング3位が確定。ハミルトンとロズベルグのポイント差は19点となった。

レース後、ベッテルのレースディレクターへの暴言問題が大きな波紋を呼び、FIAは11月1日に、ベッテルの謝罪を受け懲戒措置を科さないことを発表した。なお、このレースではボッタスが最高速度372.5km/hを記録した。

まとめ

ハミルトンの圧勝で幕を閉じたメキシコグランプリ。しかし、フェルスタッペンとベッテルの激しいバトル、そしてそれによるペナルティ、順位変動、チャンピオンシップ争い、ベッテルの無線での発言と、レース後も様々な議論を呼ぶ結果となった。このレースは、ハミルトンの偉業と、今後のチャンピオンシップ争いの行方を占う上で重要な一戦となったと言えるだろう。 また、コース特性やペナルティ適用基準についても改めて注目が集まったと言えるだろう。

レース結果

ファステストラップ：ダニエル・リカルド（レッドブル）1:21.134
ラップリーダー：ルイス・ハミルトン(Lap 1-17, 33-71)、[ニコ・ロズベルグ]、[セバスチャン・ベッテル]

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