2016年リオデジャネイロオリンピックの閉会式

2016年リオデジャネイロオリンピック閉会式

2016年8月21日、リオデジャネイロのエスタジオ・ド・マラカナンで、第31回夏季オリンピックの閉会式が華やかに開催されました。この式典は、映画監督フェルナンド・メイレリスが総監督を務め、「喜びと祝福」をテーマに、ブラジルの多様な音楽と文化が披露されました。ミシェル・テメル大統領代行の欠席に対し、日本からは安倍晋三首相、小池百合子東京都知事、松野博一文部科学大臣が出席し、次期開催都市としての日本の存在感を示しました。

式典の幕開けとブラジル文化の賛美

閉会式は、アルベルト・サントス＝デュモン役の俳優によるカウントダウンから始まりました。プロジェクションマッピングで南米大陸や古時計盤が映し出され、式典への期待が高まりました。バルバトゥッキの楽曲や映画「ブルー2 トロピカル・アドベンチャー」の音楽に乗せて、南米の野鳥を模したダンサーたちが、カリオカ水道橋やポン・ヂ・アスーカルなど、リオデジャネイロの名所を人文字で表現。マルチーニョ・ダ・ヴィラの歌声が会場を包み込み、マリア・ブエノがブラジル国旗を掲揚し、27名の少年少女合唱隊が国歌を斉唱しました。

さらに、カルメン・ミランダを彷彿とさせる衣装をまとったホベルタ・サーが「Tico-Tico no Fubá」に合わせて登場し、会場は熱気に包まれました。選手団の入場後、花火が打ち上げられ、ノルウェー出身のDJカイゴが選曲した映像で大会のハイライトシーンが振り返られました。その後、5大陸のメダリストが登壇し、古代南米文明の壁画がフィールドに現れるなど、ブラジルの歴史と文化が織りなす演出が続きました。

ダンスと音楽による表現

探検隊員が発見したという設定で、インディオ風のダンサーたちが神々を称える歌を歌い踊り、アルナルド・アントゥネスが詩を朗読。ブラジル北東部の伝承歌「Mulher Rendeira」を歌いながら、アフリカ系女性たちが巨大なレース編みを披露しました。グルーポ・コルポがトン・ゼーの楽曲「Parabelo」に合わせて全身を使ったダンスを披露し、フォホーが粘土人形ダンサーによって表現されました。

男子マラソン表彰式とオリンピック旗降納

閉会式では、恒例の男子マラソン表彰式が行われました。その後、IOCの新しい選手委員が紹介され、ボランティアに花束が贈呈。レニーニがボランティアへの感謝を歌い、オリンピック憲章に従いギリシャ国旗掲揚と国歌吹奏、オリンピック旗降納と続きました。開会式と同様に、スラム街出身の子供たちによるオリンピック賛歌が奉唱されました。

東京への引き継ぎとパフォーマンス

2020年東京オリンピックへの引き継ぎとして、フラッグハンドオーバーセレモニーが行われました。クリエイティブチームには、佐々木宏、椎名林檎、MIKIKO、菅野薫が参加。現代の東京の中に息づく「目に見えない伝統」を表現するため、日本的なもの（武士や忍者など）を排除し、精密な動きで規律や調和を表す演出がなされました。

オリンピック旗は、エドアルド・パエス・リオデジャネイロ市長からトーマス・バッハIOC会長、そして小池百合子東京都知事に引き渡されました。東京を紹介する8分間のパフォーマンスでは、三宅純、H ZETTRIO、中田ヤスタカの楽曲が使用されました。「ARIGATO FROM JAPAN」の演出では、フィールドに巨大な日の丸が現れ、その後「RIO」「OBRIGADO」「ARIGATO」の人文字に変わりました。東京のプロモーション映像では、アスリートと東京の名所が組み合わされ、ドラえもんやハローキティなどの人気キャラクターが登場しました。

安倍首相がマリオに変身し、土管を通ってリオに登場するというサプライズ演出もあり、会場を沸かせました。その後、東京で実施される33の競技を表現したアクロバティックなパフォーマンスが披露され、最後は「SEE YOU IN TOKYO」のメッセージと東京大会のエンブレムで締めくくられました。パフォーマンス後、安倍首相の「SEE YOU IN TOKYO!」の掛け声と共に、日本の花火が打ち上げられました。

閉会宣言と聖火の消灯

カルロス・ヌズマン五輪組織委員長とトーマス・バッハIOC会長の挨拶の後、バッハ会長が閉会を宣言。マリエニ・デ・カストロが歌い始めると、聖火台に雨が降り注ぎ、聖火は静かに消灯されました。その後、カストロがサンバ調の「Cidade Maravilhosa」を歌い始めると、リオのカーニバルの一行がダンスを披露し、閉会式は盛況のうちに幕を閉じました。

日本での放送

日本国内では、NHK Eテレとテレビ朝日、NHK-FMで閉会式の模様が放送されました。NHKでは、式典終了後に小池都知事と北島康介が出演しました。

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