2017年のロードレース世界選手権

2017年FIMロードレース世界選手権：激動のシーズン

2017年のロードレース世界選手権は、FIMロードレース世界選手権の歴史において第69回大会として開催されました。MotoGPクラス、Moto2クラス、Moto3クラスの3クラスで、世界中のトップライダーたちがしのぎを削る、白熱した戦いが繰り広げられました。今シーズンは、ライダーの移籍やチームの変更、さらにはレギュレーションの改定など、多くの注目すべき点がありました。

MotoGPクラス：王者マルケス、新たな挑戦者たち

前シーズン、圧倒的な強さでチャンピオンに輝いたマルク・マルケスが、ディフェンディングチャンピオンとしてシーズンに臨みました。しかし、彼の挑戦を阻もうとする強豪ライダーたちが、各チームから参戦しました。

最大の注目は、ホルヘ・ロレンソのドゥカティ移籍でしょう。長年ヤマハで活躍したロレンソは、新たな環境でタイトル獲得を目指しました。一方、ヤマハにはマーベリック・ビニャーレスがスズキから移籍。チームメイトには、ファビオ・クアルタラロが抜けた穴を埋めるように、アレックス・リンスが加わりました。ドゥカティにはアンドレア・イアンノーネがスズキから移籍しました。

また、KTMがファクトリーチームとして初めてフル参戦を果たしたことも大きなトピックでした。ブラッドリー・スミスとポル・エスパルガロという経験豊富なライダーを獲得し、早速、チームとして存在感を示しました。アプリリアにはサム・ロウズとアレックス・エスパルガロが加入、モンスターヤマハ・テック3にはジョナス・フォルガーとヨハン・ザルコがステップアップして参戦しました。一方、ベテランのステファン・ブラドルとユージーン・ラバティはMotoGPを引退し、スーパーバイク世界選手権へと転向しました。

さらに、今シーズンから空力パーツであるウィングレットが全面的に禁止されるなど、レギュレーションの変更も行われました。これは、ライダーの安全確保を目的としたものでした。また、ピットストップでのメカニックの人数制限や、ヘルメット着用義務などの変更もありました。

シーズン中には、KTMがミカ・カリオをワイルドカードとして複数レースに起用するなど、様々な展開がありました。最終的には、ライダーズランキング、マニファクチャラーズランキング、チームズランキングが発表され、シーズンは幕を閉じました。

Moto2クラス：世代交代の波

Moto2クラスでは、前年チャンピオンのヨハン・ザルコがMotoGPへとステップアップしたため、空席となったシートを巡って、激しい争いが繰り広げられました。

多くのライダーの移籍がありました。イサック・ビニャーレスはSAGチームに移籍。テック3にはレミー・ガードナーが加入しました。マルセル・シュロッターはダイナボルト・インタクトGPに移籍し、ホルヘ・ナバーロはグレシーニ・レーシングに移籍。フランチェスコ・バニャイアとステファノ・マンツィはスカイ・レーシングチームVR46に加わりました。ミゲル・オリベイラはレッドブルKTMアジョに移籍、チームメイトにはブラッド・ビンダーが加わりました。ザビエル・シメオンはタスカ・レーシング・スクーデリアMoto2に移籍。ファビオ・クアルタラロはポンスHP40に加わり、ドミニク・エガーターはレオパード・レーシングに移籍しました。アンドレア・ロカテッリはイタルトランス・レーシングチームに加入。ヨニー・エルナンデスはAGRチームに加わり、長島哲太はSAGチームでフル参戦を果たしました。イケル・レクオナはカーエクスパート・インターウェッテンでフル参戦、カイルール・イダム・パウィは出光ホンダチーム・アジアから、アクセル・バサーニはスピードアップから参戦しました。

チームの面では、アジョ・モータースポーツがKTMマシンにスイッチ、スカイ・レーシングチームVR46がMoto2に参戦拡大、SAGチームが2台体制復帰、ダイナボルト・インタクトGPがスッターマシンにスイッチ、レオパード・レーシングがキーファー・レーシングに改名しスッターマシンにスイッチ、イタルトランス・レーシングチームが2台体制復帰、AGRチームが1台体制に縮小、QMMFレーシングチームが撤退、スピードアップが2台体制に拡大、RWレーシングGPがMoto3からMoto2に転向するなど、大きな変化がありました。シーズン終了後、ライダーズランキングとマニファクチャラーズランキングが発表されました。

Moto3クラス：若き才能たちの競演

Moto3クラスでは、前年チャンピオンのブラッド・ビンダーがMoto2にステップアップしました。そのため、多くの若手ライダーたちが、その座を目指して戦いました。

ロレンツォ・ダッラ・ポルタはアスパル・チームMoto3でフル参戦、ロマーノ・フェナティはスナイパーズチームで参戦しました。ニッコロ・アントネッリはレッドブルKTMアジョに移籍、エネア・バスティアニーニはエストレージャ・ガリシア0,0に移籍し、ホルヘ・マルティンがグレシーニ・レーシングMoto3に加わりました。ジョン・マクフィーはブリティッシュ・タレント・チームに移籍、ヤコブ・コーンフェールはプジョーMCサクソプリントに移籍しました。マリア・エレーラはAGRチームに移籍、トニー・アルボリーノはSIC58スクアドラ・コルセからデビュー、佐々木歩夢はSICレーシングチームからデビューしました。アルベルト・アレナスはアスパル・チームMoto3でフル参戦、鈴木竜生はSIC58スクアドラ・コルセに移籍、マルコ・ベッツェッキとマヌエル・パリャーニはCIP-ユニオン・スターカーでフル参戦、パトリク・プルッキネンはプジョーMCサクソプリントからデビュー、リヴィオ・ロイはレオパード・レーシングに移籍、鳥羽海渡とナカリン・アティラトプワパトはホンダチーム・アジアからデビューしました。エンツォ・ブーロムは撤退しました。

チームの面では、SIC58スクアドラ・コルセがMoto3に参戦、3570チーム・イタリアが撤退、RWレーシングGPがMoto2に転向、AGRチームがMoto2とMoto3をそれぞれ1台体制に、レオパード・レーシングとスカイ・レーシングチームVR46が2台体制に、プラチナム・ベイ・リアル・エステートがKTMマシンにスイッチ、オンゲッタ-リバコールドがスナイパーズチームに改名するなど、変化がありました。最終的に、ライダーズランキングとマニファクチャラーズランキングが発表されました。

2017年シーズンは、MotoGP、Moto2、Moto3の全クラスにおいて、ライダー、チーム、レギュレーションと、様々な変化が激しかった、記憶に残るシーズンとなりました。

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