2017年岐阜県知事選挙

2017年1月29日、岐阜県では、次期県政の担い手を決める知事選挙が実施されました。この選挙は、当時の知事、古田肇氏の4年間の任期満了に伴うものでした。

選挙戦は、4期目への挑戦を表明した現職の古田肇氏と、新たに立候補した新人の高木光弘氏による一騎打ちという構図になりました。無所属で立候補した古田氏に対し、自由民主党、公明党、そして民進党といった主要政党が前回に引き続き、連続4回目の推薦を与え、その盤石な体制を支えました。一方、無所属で出馬した高木氏は、日本共産党の県常任委員を務めており、同党系の政治団体である「県民が主人公の岐阜県政をつくる会」によって擁立されました。

この選挙で最も注目された争点は、古田氏が過去3期12年にわたり主導してきた県政運営に対する有権者の評価でした。経済活性化、地域振興、福祉施策など、これまでの実績が問われる選挙となりました。

選挙活動は、1月12日の告示を経て本格化しました。古田氏の出馬表明は前年の2016年10月5日、高木氏の表明は同年12月29日と、現職が先行する形で準備が進められました。選挙期間中、古田氏は3期12年の経験と実績を強調し、県の豊かな自然や歴史、伝統を生かした「清流の国ぎふ」づくりを主要な政策として掲げ、その実現に向けた継続を訴えました。さらに、主要政党の強力な支援に加え、農協や建設業協会など約300もの多岐にわたる業界団体からの推薦を受け、強固な組織力を背景にした選挙戦を展開しました。一方、高木氏は、現県政を批判し、県民生活の向上を強く訴えました。特に、福祉、医療、教育といった分野における予算の充実を主張し、新たな県政の実現を目指しましたが、支持層を大きく広げるには至りませんでした。

1月29日の投開票の結果、現職の古田氏が新人候補を大差で破り、見事に4回目の当選を果たしました。この結果は、古田氏が長年培ってきた実績と、それを支える強固な政党・団体からの組織的な支援体制が、選挙戦において大きな強みとなったことを示しています。高木氏は、特定の課題に焦点を当てた訴えを展開しましたが、広範な有権者の共感を得るには課題が残りました。

最終的な投票率は36.39%でした。これは、前回（2013年）の33.92%をわずかに上回ったものの、依然として低い水準であり、過去の岐阜県知事選挙の中では2番目に低い投票率となりました。有権者数は1,688,647人でした。

なお、この知事選挙の投票日には、美濃加茂市長の辞職に伴う出直し市長選挙と、それに伴う市議会議員補欠選挙も同日に行われています。

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