2017年横浜市長選挙

2017年横浜市長選挙

2017年7月30日、日本の主要都市である横浜市のトップである市長を選出するための選挙が実施され、即日開票されました。現職の林文子氏（当時3期目）の任期満了に伴うものでした。この選挙は、公職選挙法の改正によって選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられて以降、横浜市で初めて行われた市長選挙という点でも注目を集めました。

主な争点

選挙における主要な争点として、以下の点が挙げられました。

2期8年にわたる林市政に対する評価
カジノを含む統合型リゾート（IR）の横浜への誘致を進めるか否か
* 市立中学校における全員給食の導入について

特に、IR誘致の是非は大きな論点となり、候補者間の立場が明確に分かれました。

選挙を巡る動き

選挙に向けた動きは、前年のIR推進法施行から本格化しました。IR誘致に反対する立場を明確にした元逗子市長の長島一由氏が早々に立候補の意向を表明。一方、現職の林市長は当初推進の姿勢も見せていましたが、情勢の変化を受けて「白紙」へと立場を転換しました。横浜港運協会会長の藤木幸夫氏がIR誘致に否定的な見解を示すなど、経済界の一部からも慎重論が出ました。

現職の林市長は、市議会で3期目への出馬を正式に表明。自由民主党、公明党、連合神奈川といった主要な政党や団体からの推薦を獲得しました。しかし、民進党は候補者擁立や支援方針を巡って調整が難航し、最終的に自主投票を選択。これにより、旧民主党系の支持層が現職支持に回る一方、旧維新の党出身の横浜市議であった伊藤大貴氏も無所属での出馬を表明するなど、事実上の分裂選挙となりました。

伊藤氏に対しては、日本共産党や自由党が自主的な支援を決定。一部の民進党議員も伊藤氏の応援に回るなど、野党側の足並みは揃いませんでした。

選挙結果

7月16日に告示され、2週間の選挙戦を経て30日に投開票が行われました。結果は、現職の林文子氏が新人候補の長島一由氏、伊藤大貴氏を退け、3期目の当選を果たしました。投票率は37.21%で、前回の選挙を8ポイント以上上回りましたが、約300万人の有権者に対しては低調な水準に留まりました。

敗れた長島氏と伊藤氏は、ともにIR誘致反対や中学校給食の実現などを主要な公約として掲げましたが、訴える政策が似通っていたこともあり、現職に対抗するための票が分散する形となりました。これにより、現職が手堅く支持を固める結果となりました。

この選挙は、IR誘致という今後の横浜市の方向性を左右する大きなテーマが問われただけでなく、改正公職選挙法の下での新しい選挙のあり方や、既存政党の連携の難しさを示す一例となりました。

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