分裂選挙

分裂選挙について

分裂選挙（ぶんれつせんきょ）は、同一政党や派閥の候補者が、同じ選挙区で競う形になり、全体の票が二つ以上に分かれてしまう選挙のことを指します。これは、政党本部と地方支部が異なる候補者を推す結果、候補者間での票の分散が生じ、最終的に第三者による当選の可能性を生むことになります。

概要

通常は政党本部と地方支部が協力して候補者の一本化を図るのですが、意見が対立した場合、選挙戦において候補者Aと候補者Bが同じ選挙区で立候補することがあります。このような事態は、候補者に対する支持が分かれる一因となり、選挙結果に重大な影響を及ぼします。

日本における分裂選挙の歴史的事例

分裂選挙は日本の政治史においても度々見られました。例えば、1950年代の日本社会党では左派と右派に分かれ、1955年までの間に行われた選挙が分裂選挙となったことがあります。また、1970年代の自由民主党内では青嵐会が独自に候補者を擁立し、その結果保守票の分散を招き、全員が落選したという事件もあります。

具体的な事例

1. 1974年の徳島県選挙区:
現職の久次米健太郎が当選した事例ですが、当時の田中首相が公認せず、保守陣営が分裂しました。最終的に久次米が無所属で当選。これはその後長期間にわたり政党内での分裂状態を招きました。

2. 1991年の東京都知事選挙:
現職の鈴木俊一に対抗する形で自民党本部が公認候補を擁立し、結果として分裂選挙となりました。最終的には鈴木が当選します。

3. 2007年の宮崎県知事選挙:
自民党と公明党が持永哲志を推薦する一方で、同じ保守系から川村秀三郎も立候補した結果、保守票が割れ、無党派層からはタレント候補が勝利しました。

外国における分裂選挙の観察

アメリカでは、共和党と民主党がそれぞれ予備選を行い、選挙人の獲得戦が行われるため、分裂選挙はあまり見られません。しかし、1992年の大統領選挙ではロス・ペローという第三勢力が登場し、注目を集めました。

分裂選挙を避けた事例

1980年の日本の選挙では、自民党内の対立が激化しましたが、総理大臣が急逝することで候補者間の団結が強まり、成功裏に選挙を終えることができました。

結論

分裂選挙は、候補者の不一致や政策の相違により生じる政治的な問題です。それにより、選挙結果が予想外の形で変わる可能性があります。過去の事例を通じて、分裂選挙の影響を学ぶことは、今後の選挙戦略の構築にも役立つことでしょう。分裂選挙は、単なる内部の争いではなく、選挙全体に波及する重要な要素であり、政治の動向を左右することがあります。

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