2018年の台風

2018年の台風について

2018年に発生した台風は、平年の25.6個を大幅に上回る29個に達しました。日本の気象庁のデータに基づき、一部、合同台風警報センター（JTWC）の情報も参照しています。

発生数と日本への影響

2018年の台風発生数は29個と平年よりも多く、日本への接近数も16個（平年11.4個）、上陸数も5個（平年2.7個）と、いずれも平年を大きく上回りました。特に、猛烈な強さ（最大風速54m/s以上）に発達した台風が7個（3、8、21、22、24、25、26号）発生し、これは1977年以降で最多の記録となりました。

特徴的な台風の発生

2017年12月30日に発生した熱帯低気圧が年を跨いで1月3日に台風1号となり、1951年以降で3番目に早い台風発生となりました。しかし、2017年12月にも2個の台風が発生しており、この台風も2017年の台風シーズンの延長と考えられます。また、2月11日に発生した台風2号は、1965年以来53年ぶりに2月中旬に発生した台風となりました。

6月半ば頃から熱帯低気圧の発生が多くなり、8月には統計史上2番目の多さとなる9個の台風が発生しました。夏から秋にかけて対流活動が活発な状態が続きましたが、9月以降はやや不活発となり、10月に発生した台風は1個のみでした。しかし、11月下旬には再び対流活動が活発になり、3個の台風が短期間に相次いで発生しました。

日本に影響を与えた主な台風

台風7号: 平成30年7月豪雨の発生要因となりました。
台風12号: 「逆走台風」として話題になり、異例の進路をたどりました。
台風20号: 北淡震災記念公園の風車を倒壊させ、熊野川を氾濫させました。
台風21号: 25年ぶりに非常に強い勢力で日本に上陸し、関西空港の浸水や連絡橋へのタンカー衝突を引き起こしました。
台風24号: 静岡県を中心に大規模停電や塩害をもたらしました。

各台風の詳細

台風1号（ボラヴェン）

2017年12月30日頃に形成された低圧部が、2018年1月3日に台風となりました。
観測史上最小タイ記録となる強風域の大きさでした。

台風2号（サンバ）

2月中旬に発生した珍しい台風です。
台風が存在しない期間を埋めた記録があります。

台風3号（ジェラワット）

3月に猛烈な勢力にまで発達した珍しい台風です。
中心気圧が大幅に上方修正されています。

台風4号（イーウィニャ）

発生場所が事後解析で修正されました。

台風5号（マリクシ）

伊豆諸島に接近し、記録的な大雨をもたらしました。
ピーク時の最大風速が下方修正されています。

台風6号（ケーミー）

沖縄に接近し、記録的な大雨をもたらしました。

台風7号（プラピルーン）

沖縄県に暴風雨をもたらし、最大瞬間風速を観測しました。
平成30年7月豪雨の要因となりました。

台風8号（マリア）

非常に発達が早く、猛烈な勢力になりました。
西日本集中豪雨の間接的な原因となりました。

台風9号（ソンティン）

ベトナム北部で大きな被害をもたらしました。

台風10号（アンピル）

沖縄本島を通過し、中国の上海付近に上陸しました。

台風11号（ウーコン）

日本の遥か東海上を北上しました。

台風12号（ジョンダリ）

「逆走台風」として知られ、異例の進路を辿りました。
三重県や福岡県に再上陸し、近畿から中国地方を西進しました。

台風13号（サンサン）

関東地方に接近し、交通機関に大きな影響を与えました。
千葉県で最大瞬間風速20m/s以上を記録しました。

台風14号（ヤギ）

宮古島などで猛烈な雨をもたらしました。

台風15号（リーピ）

宮崎県に上陸し、高知県を中心に大雨となりました。

台風16号（バビンカ）

南シナ海で複雑な動きをした後、ベトナムに上陸しました。

台風17号（ヘクター）

越境台風として観測対象になりました。
東部太平洋で発生したハリケーンが変化しました。

台風18号（ルンビア）

中国東部で大きな被害をもたらしました。
7年連続で日本列島に接近しました。
アジア名が使用中止になりました。

台風19号（ソーリック）

奄美地方に接近し、暴風を記録しました。

台風20号（シマロン）

徳島県に上陸し、各地で暴風雨をもたらしました。
淡路島の風車を倒壊させ、熊野川を氾濫させました。

台風21号（チェービー）

非常に強い勢力で上陸し、関西を中心に大きな被害をもたらしました。
高潮が過去の記録を更新し、関西空港が浸水しました。

台風22号（マンクット）

猛烈な勢力を維持したままフィリピンに上陸しました。

台風23号（バリジャット）

南シナ海を西進し、トンキン湾で熱帯低気圧に変わりました。

台風24号（チャーミー）

猛烈な勢力に発達し、沖縄県で最大瞬間風速を記録しました。
JR東日本が首都圏の路線を計画運休しました。
東海地方を中心に大規模な停電や塩害をもたらしました。

台風25号（コンレイ）

猛烈な勢力に発達し、沖縄地方に接近しました。
韓国に上陸しました。

台風26号（イートゥー）

猛烈な勢力に発達し、マリアナ諸島で大きな被害を出しました。
中心気圧が900hPaまで低下しました。

台風27号（トラジー）

ベトナムで熱帯低気圧に変わりました。

台風28号（マンニィ）

大東諸島に接近しました。

台風29号（ウサギ）

ベトナム南部に上陸しました。

気象庁が「台風」に分類しなかった熱帯低気圧

気象庁が台風に分類しなかった熱帯低気圧についても、JTWCのデータやフィリピン大気地球物理天文局（PAGASA）の命名などを合わせて記録しています。

各熱帯低気圧の影響

各熱帯低気圧の活動期間、階級、最大風速、最低気圧などの詳細なデータも記載しています。気象庁の台風経路図や位置表へのリンクも提供しています。

外部リンク

気象庁｜台風情報
気象庁｜過去の台風資料
デジタル台風
合同台風警報センター(JTWC)
NRL Tropical Cyclone Page
Weather Underground Hurricane and Tropical Cyclones
世界気象機関(WMO) Severe Weather Information Centre
フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)
ウィキメディア・コモンズには、2018年の台風に関するカテゴリがあります。

脚注

注釈・出典の詳細は、元の情報源を参照してください。

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