2018年の猛暑 (日本)

2018年夏の猛暑：記録的な高温と各地の被害

2018年の夏、日本列島を襲った猛暑は、その記録的な高温から人々の記憶に強く刻まれています。東日本と西日本を中心に、観測史上まれに見る暑さが続き、多くの地域で平均気温が平年を大きく上回りました。特に、夏期（6～8月）の平均気温は東日本において平年比+1.7℃と、統計開始以来最高の値を記録。西日本でも平年比+1.1℃と、過去2番目の高温となりました。ただし、奄美地方と沖縄地方だけは例年より気温が低く冷夏となりました。

猛暑の推移と各地の気温

6月は梅雨前線が南海上にとどまり、太平洋高気圧が強勢だったため、東日本と西日本では日照時間が例年より長く、気温も全国的に高めとなりました。しかし、中旬には気温が低下するなど、月内の変動も大きかったのが特徴です。関東甲信地方では、6月29日に梅雨明けが観測され、これは統計史上最も早い梅雨明けとなりました。

7月に入ると、7月8日までは台風7号や梅雨前線の影響で西日本を中心に記録的な大雨が降りましたが（平成30年7月豪雨）、その後は太平洋高気圧に覆われ、厳しい暑さが到来。7月23日には埼玉県熊谷市で41.1℃という、日本歴代最高気温が観測されるなど、全国的に記録的な高温となりました。7月の平均気温は、東日本で平年比+2.8℃、西日本で+1.6℃と、過去最高またはそれに近い値を記録しました。北日本でも+1.6℃と高温でした。

8月に入っても、東日本と西日本では晴天が続き、猛烈な暑さが続きました。特に東海地方では40℃以上の高温を複数回記録。しかし、8月中旬からは強い寒気が流れ込み、全国的に気温が平年を下回る日が続きました。東日本と北日本では、8月の最低気温が更新される地域もありました。8月下旬には秋雨前線や台風などの影響で曇りや雨の日もありましたが、全体としては顕著な高温が続いた月となりました。北日本では、冷たい空気の影響で8月の平均気温は平年並みでした。8月の平均気温は、東日本で平年比+1.3℃、西日本で+1.3℃、北日本では-0.5℃となりました。

9月の平均気温は、沖縄・奄美で平年比+0.7℃、北日本で+0.4℃と高めでしたが、東日本と西日本では平年を下回りました。

猛暑の原因と気象状況の解説

気象庁の分析によると、7月中旬以降の記録的な高温は、太平洋高気圧とチベット高気圧が日本付近に張り出し続けたことが主な原因です。これにより、安定した晴天が続き、気温が上昇しました。これらの高気圧が日本に張り出した背景には、亜熱帯ジェット気流の北への蛇行と、フィリピン付近での盛んな積雲対流活動が影響していると考えられています。

7月27日、28日、8月10日などは比較的気温が低かったものの、それでも36℃以上の猛暑日を観測した地点がありました。一方、8月16～20日にかけては猛暑日がほとんど観測されず、17日と18日には猛暑日は全く観測されませんでした。

具体的な気温データと記録

6月25日には、栃木県佐野市で36.4℃など、10地点で全国初の猛暑日となりました。7月14日以降は各地で連日猛暑日が観測され、40℃を超える日も続出しました。7月23日の埼玉県熊谷市の41.1℃は日本歴代最高気温として記録されました。また、40℃を超える猛暑日は、複数回観測されています。特に、岐阜県では40℃を超える日が複数回観測されており、8月8日には美濃市と下呂市金山で41.0℃を記録。記録的な猛暑は、東海地方を中心に日本全国に甚大な影響を与えました。

被害と影響

この猛暑により、7月には熱中症で緊急搬送された人が5万4220人に上り、死者は133人にのぼりました。これは、2008年の統計開始以来月別で最多となりました。

まとめ

2018年の猛暑は、気象条件の複雑な相互作用によって発生した、日本における歴史的な暑さとして記録されています。その記録的な高温と熱中症被害は、社会に大きな影響を与え、災害級の暑さとして認識されるようになりました。この経験は、将来の異常気象対策の重要性を改めて認識させるものとなりました。

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