2018年のMoto3

2018 FIMロードレース世界選手権Moto3クラス：激動のシーズンレビュー

2018年のMoto3世界選手権は、FIMロードレース世界選手権の70回大会を彩る軽量級クラスとして、多くのドラマと話題を提供しました。前年王者ジョアン・ミルがMoto2クラスへステップアップしたため、新たな覇権争いが繰り広げられるシーズンとなりました。

ホルヘ・マルティンの圧勝

最終的にチャンピオンの座に輝いたのは、スペイン人ライダーのホルヘ・マルティンでした。第18戦マレーシアグランプリでの優勝が決定打となり、ランキング2位のマルコ・ベッツェッキに26ポイントの大差をつけてシーズンを終えました。マルティンの圧倒的な強さが際立ったシーズンと言えるでしょう。

15歳の新記録とライダーたちの挑戦

最終戦バレンシアグランプリには、ワイルドカード参戦としてジャン・オンジュが登場。15歳115日でのグランプリ出場は、最年少記録として歴史に刻まれました。若き才能の台頭は、Moto3クラスの魅力の一つと言えるでしょう。

ベテランライダーだけでなく、多くの若手ライダーがしのぎを削る激しい戦いが展開されました。各チームは、ライダーラインナップの刷新やマシンの変更を行い、シーズンを通して技術革新と戦略の駆け引きが繰り広げられました。

チームとライダーの移籍劇

このシーズンは、ライダーやチームの動向も大きな注目を集めました。エネア・バスティアニーニのレオパード・レーシング移籍、アンドレア・ミーニョのアンヘル・ニエト・チーム移籍、デニス・フォッジアのMoto3フル参戦デビューなど、多くの移籍劇がありました。

また、ジャウマ・マシアのフル参戦、マルコ・ベッツェッキのチーム変更、ニッコロ・アントネッリのチーム移籍、トニー・アルボリーノのマリネリ・リバコールド・スナイパーズ移籍、ダリン・ビンダーのレッドブルKTMアジョ加入、ロレンツォ・ダッラ・ポルタのレオパード・レーシング加入、マカール・ユルチェンコのCIP - グリーンパワー加入など、チーム事情の変化は目まぐるしいものでした。

さらに、ロマーノ・フェナティとジュール・ダニーロのMoto2ステップアップ、ジョン・マクフィーのCIP - グリーンパワー加入、マリア・エレーラのMoto3離脱、ファン・フランシスコ・ゲバラの引退と真崎一輝の加入など、様々な動きがありました。

シーズン途中にも、マカール・ユルチェンコのチーム離脱とステファノ・ネパの加入、レアーレ・アヴィンティア・アカデミーのチーム名変更とビセンテ・ペレスの加入、ダリン・ビンダーの負傷とラウル・フェルナンデスの代役起用、アロン・カネトの負傷とジェレミー・アルコバの代役起用など、予期せぬ事態が続出しました。

マシンとチームの変革

マヒンドラとプジョーの撤退、アンヘル・ニエト・チーム、レドックス・プリュステルGP、CIP - グリーンパワーによるKTMへのマシン変更、AGRチームの撤退、ブリティッシュ・タレントチームの一時活動停止、マリネリ・スナイパーズのMoto3体制縮小、アヴィンティア・レーシングのMoto3復帰、レッドブルKTMアジョの体制縮小など、チームやマシンの状況も大きく変化しました。

カレンダー変更とイギリスGPの中止

イギリスグランプリの開催サーキット変更（シルバーストンからサーキット・オブ・ウェールズへ）は、建設遅延により実現せず、シルバーストンでの開催となりましたが、悪天候により全レースがキャンセルされるという事態に陥りました。

タイグランプリが新たにカレンダーに追加され、カタルーニャグランプリではコースレイアウトが変更されるなど、レース環境にも変化が見られました。

まとめ

2018年Moto3世界選手権は、ホルヘ・マルティンの圧倒的な勝利、15歳の新記録樹立、数々のライダー・チームの移籍、マシンの変更、そしてイギリスGPの中止という波乱含みのシーズンとなりました。これらの出来事は、Moto3クラスのダイナミズムと、常に変化し続けるレース世界の厳しさを改めて印象づけるものとなりました。

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