2018年のMotoGP

2018年FIMロードレース世界選手権MotoGPクラスレビュー

2018年のMotoGP世界選手権は、70回目の記念すべきシーズンとなりました。マルク・マルケスが前年度チャンピオンとしてシーズンに臨み、その圧倒的な強さを改めて世界に見せつけました。当初19戦が予定されていましたが、第12戦イギリスグランプリは豪雨による悪天候のため、安全上の理由から決勝レースが中止という異例の事態が発生しました。

このシーズン、マルケスは計9勝を収め、そのうちシーズン序盤と終盤にそれぞれ3連勝を達成するなど、盤石の体制でタイトル争いを展開しました。特に終盤の連勝は、ライバルたちに大きなプレッシャーを与え、最終的にチャンピオン獲得へと繋がりました。

マルケスに次ぐランキング2位にはアンドレア・ドヴィツィオーゾがつけました。ドヴィツィオーゾは4勝を挙げ、マルケスを最後まで追いかけましたが、チャンピオン獲得とはなりませんでした。一方、バレンティーノ・ロッシは、勝利こそ挙げられませんでしたが、着実なポイント獲得によりランキング3位という好成績を残しました。

ホルヘ・ロレンソは3勝、カル・クラッチローとマーベリック・ビニャーレスはそれぞれ1勝を挙げました。しかし、ヤマハ勢はシーズンを通して苦戦を強いられ、ビニャーレスがオーストラリアグランプリで優勝するまで、実に25戦もの間勝利から遠ざかっていました。これは、2017年のフランスグランプリ以来の勝利であり、ヤマハにとって大きな意味を持つものでした。

一方、KTMは最終戦バレンシアグランプリで初の表彰台を獲得し、着実に力をつけていることを証明しました。この結果は、KTMのMotoGPクラス参戦における大きな一歩となりました。

チームとライダーの変更

このシーズンでは、いくつかのチームとライダーの変更がありました。LCRホンダは2台体制を確立し、アスパル・レーシングチームはチーム名を「アンヘル・ニエト・チーム」に変更しました。

ライダーの変更としては、サム・ロウズがMoto2に復帰、トーマス・ルティ、フランコ・モルビデリ、中上貴晶らがMotoGPにステップアップしました。また、エステベ・ラバトはレアーレ・アヴィンティア・レーシングに復帰し、スコット・レディングはアプリリアに移籍しました。ロリス・バズはMotoGPを離れスーパーバイク世界選手権に復帰しましたが、シーズン途中で負傷したポル・エスパルガロの代役として一時的に復帰する場面もありました。エクトル・バルベラもMoto2に復帰、ジョナス・フォルガーは病気療養のためシーズンを欠場し、ハフィズ・シャーリンがその代役を務めました。シャーリンは、最高峰クラスに参戦する最初期のマレーシア人ライダーとなりました。

シーズン途中にも、ミカ・カリオの負傷によりランディ・ド・プニエがKTMのテストライダーとして参戦したり、エステベ・ラバト、ホルヘ・ロレンソの負傷により、それぞれ代役ライダーが起用されるなど、様々な変化がありました。

カレンダーの変更とレース結果

イギリスグランプリは、当初シルバーストン・サーキットからサーキット・オブ・ウェールズへの移転が予定されていましたが、サーキット建設の遅れにより、結局シルバーストンでレースが行われることとなりました。しかし、レース当日の悪天候により、決勝レースは中止となりました。

タイグランプリが新たにカレンダーに追加され、カタルーニャグランプリではコースレイアウトが変更されました。

最終的に、マルク・マルケスが圧倒的な強さでライダーズチャンピオンを獲得、チームランキング、マニュファクチャラーズランキングについては、詳細な記述が不足しているため、ここでは触れません。このシーズンは、天候によるレース中止や、ライダーの入れ替わり、マシンの開発競争など、様々な要素が絡み合い、非常にドラマチックなシーズンとなりました。

もう一度検索