2018年山口県知事選挙

2018年山口県知事選挙

2018年（平成30年）2月4日、山口県のリーダーである知事を選出するための選挙が実施され、同日中に投開票が行われました。これは、2014年の選挙で初当選した村岡嗣政知事の4年間の任期満了に伴うものです。

選挙戦の構図と候補者

この選挙に立候補したのは2名でした。現職で2期目を目指す無所属の村岡嗣政氏と、無所属で新人の熊野譲氏です。熊野氏はかつて山口県教職員組合の委員長を務めていました。選挙戦は、この両者による一騎打ちとなりました。

主な争点

選挙期間中、有権者の判断材料として主に以下の点が取り上げられました。

現職知事の評価: 村岡県政4年間の実績、特に企業誘致などの取り組みに対する評価が問われました。
地域重要課題への向き合い方: 中国電力による上関原子力発電所の建設計画や、アメリカ軍岩国基地に関する問題といった、地域が抱えるデリケートな課題に対する候補者の姿勢が焦点となりました。
安倍政権との関連: 当時、内閣総理大臣を務めていた安倍晋三氏の選挙区が山口県内にあることから、この選挙が安倍政権に対する信任投票のような側面を持つのではないかという見方もされました。

選挙の基本情報

選挙は以下の日程で執り行われました。

告示日: 2018年1月18日
執行日（投開票日）: 2018年2月4日
投票時間: 7:00から20:00まで
期日前投票: 2018年1月19日から2月3日まで。県内約190カ所に期日前投票所が設けられました。

また、知事選挙と同日に、山口県議会議員の補欠選挙が下松市選挙区、および岩国市・和木町選挙区でも告示・実施されました。

選挙に至るまでの動き

主要候補者の出馬表明から告示までの経緯は以下の通りです。

2017年9月25日: 現職の村岡知事が県議会の代表質問の場で、2期目への立候補の意思を表明しました。
2017年12月6日: 新人候補として熊野譲氏が立候補を表明しました。
2018年1月18日: 選挙が告示され、立候補の届け出が行われました。

選挙結果と分析

2018年2月4日に行われた投開票の結果、現職の村岡嗣政氏が当選を果たし、2期目を務めることとなりました。

選挙の投票率は36.49%でした。これは、前回の知事選挙（2014年）と比較して2.33ポイント低い結果となりました。当日有権者数は1,169,266人でした。総投票数は426,671票、うち有効投票数は422,969票でした。

村岡氏は、山口県内のすべての市と町において、対立候補の熊野氏を上回る票を獲得しました。村岡氏の勝利要因としては、1期目の実績、特に積極的に企業を県内に誘致したことが有権者から評価された点が挙げられます。加えて、今後の人口減少対策などに取り組む姿勢を示し、保守層の支持基盤である自民党からの支援に加え、特定の政党に属さない無党派層からの支持も集めたことが勝因につながったと考えられます。

一方、新人候補の熊野氏は、上関原発の建設中止や米空母艦載機部隊の岩国基地への移転に反対する立場を鮮明にし、現職県政を批判しましたが、こうした主張は県民全体に広く浸透するには至らなかったようです。

なお、自民党山口県連の幹事長を務める県議会議員が、投票日前に村岡氏の目標得票数を「40万票」と発言していましたが、実際の有効投票数はこの目標にはわずかに届きませんでした。

その他の出来事

選挙期間中には、悪天候による影響も見られました。萩市の離島である見島では、当初、投票箱を定期フェリーで本土へ輸送し、2月4日に開票する予定でした。しかし、前日である2月3日に繰り上げ投票を行った後、悪天候のためにフェリーが欠航となり、投票箱を輸送することができませんでした。このため、見島では現地で開票が行われました。当時の見島の当日有権者数は757人でした。

この選挙によって、村岡県政は2期目を迎えることになり、引き続き県が抱える様々な課題に取り組んでいくこととなりました。

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