2018年石川県知事選挙

2018年石川県知事選挙

2018年（平成30年）3月11日に実施された石川県知事を選出するための選挙です。現職の谷本正憲氏の6期目の任期満了に伴い行われました。

選挙の構図

この選挙は、現職として過去最多となる7回目の当選を目指す谷本正憲氏と、長期にわたる県政への批判を背景に多選阻止を掲げた小倉恵美氏（元石川県労働組合総連合議長）による一対一の対決となりました。この選挙が、18歳選挙権が初めて適用される石川県知事選挙であったことも注目点の一つであり、その投票率の動向にも関心が寄せられました。

主要な争点としては、24年間続いた谷本県政に対する評価、そして知事の多選の是非が中心となりました。小倉氏は、長期政権がもたらす弊害を指摘し、県政の刷新を強く訴えました。また、政策面では、北陸電力志賀原子力発電所の再稼働問題が大きな論点となりました。谷本氏が国による原子力規制委員会の議論を見守る姿勢を示したのに対し、小倉氏は原発の即時廃止を主張し、明確な対立軸を打ち出しました。その他、北陸新幹線金沢開業後の地域振興策や、日本海での諸問題なども議論の対象となりました。

立候補者

谷本 正憲（たにもと まさのり）

選挙時、現職の石川県知事。1968年に京都大学法学部を卒業後、旧自治省勤務を経て1991年に石川県副知事に就任。1994年に知事選挙で初当選して以来6期を務め、全国知事会副会長なども歴任しました。今回の選挙では7選を目指しました。

主な公約として、自身の6期24年の実績を強調し、北陸新幹線の早期全線開業、海外からの観光客誘致、金沢港の機能強化などを訴えました。

小倉 恵美（おぐら えみ）

元石川県労働組合総連合議長。金沢大学付属衛生検査技師学校を卒業後、臨床検査技師などを経て県労連議長を務めました。多選批判を掲げ、「石川県に新しい知事を誕生させる会」（日本共産党や地域政党「立憲民主石川」などが支援）の擁立を受け立候補しました。

知事の多選反対、志賀原発の廃炉、積極的な県政情報公開（特に知事定例会見の実施）、土木費の削減と社会保障費の充実などを公約に掲げました。

選挙戦の展開

過去の選挙で谷本氏を支援してきた自由民主党、公明党、民進党、社会民主党の県組織は、この選挙でも現職である谷本氏の推薦・支持を決定しました。特に自民党県連内では、谷本氏の多選に対する意見の相違から新人擁立を模索する動きも一時ありましたが、最終的には党内での分裂選挙を回避し、現職を推薦する方針にまとまりました。結果として、主要政党の多くが谷本氏を支援する異例の「与野党相乗り」の構図が実現しました。労働組合の連合石川も谷本氏を推薦しました。

一方、谷本氏に対抗する形で小倉恵美氏を擁立したのは、共産党や「立憲民主石川」など、長期政権に批判的な立場をとる勢力によって組織された「石川県に新しい知事を誕生させる会」です。彼らは谷本県政からの転換を訴えました。

選挙結果

2018年3月11日に行われた投開票の結果、現職の谷本正憲氏が当選を果たし、全国最多となる7回目の知事当選を飾りました。

最終的な投票率は39.07%となり、これは前回の44.98%を5ポイント以上下回り、石川県知事選挙としては過去最低の投票率となりました。

開票結果は以下の通りです。

谷本 正憲: 331,947票
小倉 恵美: 29,000票

※当日有権者数: 950,907人

この選挙は、実績を強調する現職と多選を批判する新人の対決、そして異例の与野党相乗りという特徴を持ちながらも、有権者の関心は低調に終わり、過去最低の投票率の中で現職が盤石な体制で当選を果たす結果となりました。

選挙データは以下の通りです。

告示日: 2018年（平成30年）2月22日
投票日: 2018年（平成30年）3月11日
投票時間帯（離島を除く）: 7:00 - 20:00
期日前投票期間: 2018年（平成30年）2月23日 - 3月10日

なお、この知事選挙と同日に石川県議会議員補欠選挙や輪島市長選挙も行われました。

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