志賀原子力発電所

志賀原子力発電所概要

志賀原子力発電所（しかげんしりょくはつでんしょ）は、石川県羽咋郡志賀町に所在する北陸電力が運営する原子力発電所です。この発電所は、能登半島中部の西側に位置し、発電所の敷地面積は約160万㎡です。元々は「能登原子力発電所」という名称でしたが、後に「志賀原子力発電所」に改称されました。

現在の状態

2023年8月の時点では、志賀原発の1号機と2号機の両方が停止しています。発電運転を行っていない状態が2011年度以降続いており、現在は定期検査を行っています。また、2024年1月1日現在、発電所から半径30㎞圏内には約15万人が居住しており、住民の安全確保が極めて重要です。

施設の特徴

発電所の山側には、工業用水を供給するためのロックフィルダム「大坪川ダム」が設置されています。また、海底トンネル方式の放水路と取水路、一文字方式の防波堤が採用されており、この取り組みが評価されて1995年にはグッドデザイン賞を受賞しました。

発電設備の設計

志賀原発では、基準地震動が水平方向600ガル、鉛直方向405ガルと設定されています。津波の想定高さは、発電所前面で7.1mと評価されています。内部には使用済み燃料プールがあり、1号機に672体、2号機に200体の燃料が保管されています。

外部電源と非常用電源

志賀原発では、外部電源が志賀中能登線（500kV）など合計3系統で接続されており、運転を停止している間でも使用済み燃料プールを冷却するための電源が必要です。非常用電源として、各号機に3台ずつの非常用ディーゼル発電機が設置されており、加えて大容量電源車が2台、高圧電源車が8台用意されています。

安全対策と住民避難

発電所周辺の住民は、万一に備えて避難計画が策定されています。特に重要なのは、放射線防護施設の設置です。2024年2月時点では、16か所の防護施設が準備されており、災害時の対応についても考慮されています。

志賀原発はその歴史の中でさまざまな事件、特に臨界事故やその隠蔽が問題視されています。1999年には、1号機で国内初の臨界事故が発生し、その後の情報隠蔽が厳しく非難されました。この教訓を生かし、今後の運営においては透明性が求められています。

結論

志賀原子力発電所は、技術的な設備や安全対策を整えつつも、その運営には過去の教訓を踏まえた慎重なアプローチが必要とされています。地域住民の安全確保はもちろん、原発の信頼性向上に向けて取り組む必要があります。

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