2019年のテレビ (日本)

2019年（平成31年/令和元年）は、日本のテレビ業界において様々な出来事が観測された年でした。年間を通じて、多くの新番組が誕生し、長寿番組がその歴史に幕を下ろすなど、番組編成に大きな変化が見られました。また、元号が「平成」から「令和」へと改まった歴史的な瞬間に際しては、各局が趣向を凝らした特別番組を多数編成し、視聴者の関心を集めました。

番組の動向と改編

情報番組の分野では、年間視聴率においてテレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』が3年連続、フジテレビ『めざましテレビ』が2年連続、TBS『ひるおび!』が8年連続で同時間帯トップの座を維持しました。日本テレビは、6年連続で年間視聴率の三冠（全日帯、ゴールデン、プライム）を達成するなど、各局間の競争は激しさを増しました。

番組改編では、特に春と秋に大きな動きがありました。TBS系の2時間ドラマ枠『月曜名作劇場』が終了し、地上波民放からこの種のレギュラー枠がなくなりました。一方、深夜帯で人気を博していたテレビ朝日系『10万円でできるかな』やTBS系『世界くらべてみたら』がゴールデンタイムへと昇格するなど、深夜で実績を積んだ番組が新たな時間帯で展開されるケースも見られました。また、日本テレビ系『ZIP!』やTBS系『人生最高レストラン』など、多くの番組で新体制がスタートし、出演者の交代が相次ぎました。

長寿番組の記念回も話題を呼びました。テレビ朝日『徹子の部屋』は放送11111回を達成、TBS『日立 世界・ふしぎ発見!』は放送1500回を記念した特別企画を放送しました。毎日放送制作『世界ウルルン滞在記』が10年ぶりに復活特番として放送されたほか、フジテレビ系アニメ『サザエさん』が放送開始50周年を迎え、関連の特番や実写ドラマが放送されました。

スポーツイベントと災害報道

スポーツイベントの中継は、年間を通じて多くの注目を集めました。ラグビーワールドカップ日本大会、世界野球プレミア12、世界陸上、世界体操など、国内外の主要大会がテレビで中継され、多くの感動を伝えました。特にラグビーW杯での日本代表の活躍は列島を熱狂させ、その関連番組も多数放送されました。また、テニスやボクシング、バレーボール、各種駅伝競走なども熱戦が繰り広げられました。

自然災害の多発も、報道体制に影響を与えました。令和元年房総半島台風（台風15号）や東日本台風（台風19号）による大規模な被害に際し、NHK、民放各局ともに長時間に及ぶ特別報道番組を編成し、被災地の状況や生活情報を伝えました。また、九州北部での記録的な大雨や山形県沖地震など、各地の災害に対しても迅速な報道が行われました。

不祥事と業界の動き

2019年は、テレビ業界内外で複数の不祥事が明らかになった年でもありました。日本テレビ系『世界の果てまでイッテQ!』の祭り企画におけるやらせ疑惑がBPOで放送倫理違反と判断されたほか、TBS系『消えた天才』や『クレイジージャーニー』での映像加工問題が発覚し、両番組は打ち切りとなりました。また、お笑い芸人による闇営業問題、チュートリアル徳井義実氏の税務申告漏れ問題など、出演者に関連する問題も相次ぎ、多くの番組が対応を迫られました。

業界全体の動きとしては、BS日テレ4Kが開局し、4K放送への移行が進みました。大阪では読売テレビが新社屋に移転し、新たなスタートを切りました。また、サンテレビやテレビ熊本など、開局50周年を迎える地方局も多数ありました。公正取引委員会がジャニーズ事務所に対し、元SMAPの3人の出演に関する圧力を調査し注意を行うなど、芸能界の慣行にも光が当てられました。

このように、2019年は日本のテレビ業界にとって、新たな時代の幕開けと共に、数多くの番組変更、イベント報道、そして様々な課題に直面した記憶に残る一年となりました。

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