2019年福岡県議会議員選挙

2019年福岡県議会議員選挙

2019年4月7日、第19回統一地方選挙の枠組みの中で、福岡県議会議員の改選を目的とした選挙が実施されました。この選挙は、福岡県における重要な議決機関である県議会の構成員を選出するためのもので、県議会議員の4年の任期満了に伴い行われました。同日は、福岡県知事選挙や福岡市議会選挙なども併せて執行され、特に保守勢力の分裂が焦点となった知事選挙は大きな注目を集めました。この知事選挙の行方は、県議会議員選挙における各党の獲得議席にも少なからぬ影響を与えることとなりました。

選挙の概要と背景

本選挙は、2015年に選出された福岡県議会議員の任期満了に伴い実施されたものです。県政の方向性を左右する県議会の勢力図を決める選挙として、例年関心を集めますが、この2019年の選挙においては、同日に行われた福岡県知事選挙が異例の展開を見せたことが、選挙全体の注目度を高める要因となりました。現職知事に対し、自民党の一部などが対立候補を擁立する「保守分裂」の構図が生じ、県政のリーダーシップを巡る争いが、県議会選挙の論戦や各政党の戦略にも影響を及ぼしました。

基礎データ

この選挙の基本的な情報は以下の通りです。

選挙事由: 任期満了
選挙形態: 地方議会議員選挙
告示日: 2019年3月29日
投票日: 2019年4月7日
同日選挙: 福岡県知事選挙、福岡市議会選挙
選挙区: 33区（うち18区で立候補者数が定数を超えず無投票）
定数: 87名（うち33名が選挙戦を経ずに無投票で当選）
立候補者数: 123名（選挙戦となった選挙区における候補者数）

全体の定数87名のうち、約38%にあたる33名が無投票当選となり、全33選挙区の半数以上にあたる18区で投票が行われませんでした。これは、多くの選挙区で競争がなく、有権者が選択の機会を持てなかったことを示しています。

選挙結果と各党の動向

投票の結果、福岡県議会の勢力図は以下のように変化しました。

自由民主党: 選挙前の40議席を維持し、県議会において引き続き最大会派としての地位を保ちました。知事選での保守分裂の影響が懸念されましたが、議席数という点ではこれを乗り越えた形です。
公明党: 公認候補者全員が当選を果たしましたが、中央区の現職議員の引退に伴い、選挙前の議席から1議席減の10議席となりました。知事選での関係性など、一部にしこりが残る結果となりました。
国民民主党・立憲民主党: これらの党は、知事選挙で現職知事を支持する立場を取りました。選挙の結果、両党ともに議席を増やし、県議会における発言力や影響力を高めることに成功しました。具体的な議席数の増加は示されていませんが、連携が奏功したことを示唆しています。
日本共産党: 知事選挙で独自候補を擁立した共産党は、若松区で議席を失ったものの、福岡市東区で新たな議席を獲得しました。福岡市が政令指定都市に移行して以降、東区での議席獲得はこれが初めてとなります。結果として、全体としては勢力を維持する形となりました。
* 無所属・諸派: 上記主要政党以外の候補者や無所属の候補者も当選し、県議会を構成する一員となりました。

この選挙結果は、同日行われた知事選挙の構図と無縁ではありませんでした。知事選で現職側についた勢力（国民民主党、立憲民主党など）が議席を伸ばし、対立候補側の一翼を担った勢力との間で、議席数の増減や党内の軋轢が見られるなど、県政全体を巡る対立構造が県議会にも反映される形となりました。

まとめ

2019年福岡県議会議員選挙は、任期満了に伴う通常の改選選挙でありながら、同日実施された福岡県知事選挙の保守分裂という特殊な状況下で行われました。このため、単なる議席争いにとどまらず、県政のリーダーシップを巡る争いが各党の選挙戦略や結果に影響を与えた側面があります。自民党は議席を維持しましたが、公明党は議席を減らし、一方で国民民主党や立憲民主党は議席を伸ばすなど、県議会の勢力図には変化が生じました。共産党も議席の移動はあったものの勢力を維持しました。この選挙で選ばれた議員たちは、今後4年間、福岡県の県政運営において重要な役割を担うことになります。

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