2019年香港区議会議員選挙

2019年香港区議会議員選挙は、香港の区議会を構成する議員を選出するために2019年11月24日に実施されました。この選挙では、香港全18区の区議会で投票が行われ、合計479議席のうち、452議席が市民による直接選挙によって選ばれました。残りの27議席は、新界の9区における原住民代表に割り当てられています。

選挙の背景には、2019年に香港立法会で審議入りした逃亡犯条例改正案に対する市民の強い反発がありました。この改正案は、中国本土への容疑者引き渡しを可能にするもので、香港の自治を侵害するものとして、大規模な民主化デモを引き起こしました。条例案はその後撤回されたものの、デモは収束せず、社会情勢が不安定な中で区議会選挙が実施されることとなりました。

選挙期間中には、民主活動家であり、雨傘運動の元リーダーである黄之鋒氏が立候補を認められなかったり、親中派の建制派である何君堯氏が選挙運動中に襲撃されて負傷するなど、混乱が相次ぎました。選挙直前には、林鄭月娥行政長官が安全が確保できない場合には選挙の延期を示唆するなど、選挙の実施そのものが危ぶまれる事態となりました。しかし、選挙を前にして騒動は一旦沈静化し、予定通り11月24日に選挙が実施されました。

投票の結果、投票率は71%に達し、香港の中国返還以来で過去最高を記録しました。選挙前の区議会では、議席の約7割を占めていた建制派が大幅に議席を減らし、59議席まで激減しました。一方、民主派は議席の約8割を超える388議席を獲得し、歴史的な勝利を収めました。得票数では、民主派が160万票（約57%）、建制派が120万票（約41%）を獲得しました。

選挙データ

定数：479議席中452議席（他27議席は新界にある9区の原住民代表として割り当てる「当然議員」）
選挙区：18区から分けられた452選挙区
選挙制度：単純小選挙区制
立候補者数：1104人
選挙活動期間：2019年10月18日 - 11月23日
投票日：2019年11月24日（即日開票）

立候補が認められなかった主な人物

黄之鋒：民主活動家

選挙結果

各区議会における選挙前・選挙後の与党同盟・第一党の状況は、多重党籍を含めて統計がなされました。

この選挙の結果は、香港の政治情勢に大きな変化をもたらし、市民の不満が明確に示された出来事となりました。また、香港の民主主義運動にとって大きな転換点となりました。

脚注

外部リンク

2019年区議会選挙公式ウェブサイト

もう一度検索