2019年高知県知事選挙

2019年高知県知事選挙

2019年（令和元年）11月7日に告示され、11月24日に投開票が行われた高知県知事選挙は、長年続いた県政の流れが変わる可能性を秘めた選挙として注目を集めました。

選挙の背景

この選挙は、高知県知事として3期12年にわたり県政を担ってきた尾﨑正直氏が、その任期満了を迎えることに伴って実施されました。尾﨑氏は2019年8月、4選を目指さず、国政への転身を目指す意向を表明し、今回の知事選には立候補しないことを明らかにしました。同時に、自身の後継候補として、四万十市出身で当時総務省の総括審議官を務め、過去には大阪府副知事の経験も持つ浜田省司氏を指名しました。

候補者と選挙戦

尾﨑氏の後継として与党系の支援を受ける浜田氏に対し、対抗馬として立候補を表明したのは、日本共産党高知県常任委員の松本顕治氏です。松本氏は野党統一候補として、無所属の立場で選挙戦に臨みました。このように、現職以外の候補者による知事選挙戦が展開されるのは、2007年（平成19年）以来、実に12年ぶりのことでした。

選挙戦を通じて、高知県が抱える様々な課題が主要な争点として浮上しました。特に深刻なのは、全国的に見ても非常に早いスピードで進行する人口減少と少子高齢化です。高知県の人口は70万人を下回り、県勢の維持・発展に向けた対策が喫緊の課題となっています。また、南海トラフ地震の発生が予測されており、大規模な自然災害への防災・減災対策も、県民の安全を守る上で避けて通れない重要な論点となりました。候補者たちは、これらの課題に対し、それぞれどのような政策を実行できるのかを有権者に訴えました。

選挙戦の動き

選挙を巡る主な動きは以下の通りです。

2019年8月21日：現職の尾﨑正直知事が、4選不出馬と国政転身への意欲を表明しました。
2019年8月27日：前総務省総括審議官の浜田省司氏が正式に出馬を表明しました。
2019年9月1日：自由民主党高知県支部連合会と公明党高知県本部がそれぞれ浜田氏の推薦を決定しました。
2019年10月17日：日本共産党高知県常任委員の松本顕治氏が、野党統一候補として無所属での立候補を表明しました。
2019年11月7日：選挙が告示されました。
2019年11月24日：投開票が行われました。

また、選挙期間中には、インターネット放送局代表の藤島利久氏が一時出馬を表明しましたが、後に立候補を取りやめています。

選挙データ

告示日：2019年（令和元年）11月7日
執行日（投開票日）：2019年（令和元年）11月24日
当日有権者数：604,825人
最終投票率：47.67%

この選挙の結果は、高知県の今後の県政の方向性を左右するものとして、大きな注目を集めました。

関連項目として、同年に実施された「2019年高知県議会議員選挙」があります。

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