2021年オーストリアグランプリ

2021年オーストリアグランプリ詳報：フェルスタッペンのグランドスラムと波乱の展開

2021年7月4日、オーストリア・レッドブル・リンクで開催されたF1世界選手権第9戦、2021年オーストリアグランプリ。新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で当初の予定からスケジュールが変更され、オーストラリアGP延期、カナダGP中止を受け、前年に引き続きレッドブル・リンクでの2週連続開催となりました。前年2レース目はシュタイアーマルクGPとして開催されましたが、本レースはオーストリアGPの正式名称で開催されました。

タイヤ戦略と技術的側面

本レースでは、ピレリがC3（ハード）、C4（ミディアム）、C5（ソフト）の柔らかいタイヤコンパウンドを持ち込みました。さらに、アゼルバイジャンGPでのタイヤトラブルを受け、新型リアタイヤを導入。各ドライバーは2セットずつ供給され、金曜日のFP1またはFP2で指定周回数の走行が義務付けられました。このタイヤ選択と新型タイヤの特性が、レース展開に大きく影響を与えることになります。

スポンサーシップとチーム動向

アストンマーティン・チームのスポンサーであるBWTが、シュタイアーマルクGPに続きタイトルスポンサーを務め、サーキットはピンクを基調とした装飾で彩られました。また、FP3開始前にはメルセデスがルイス・ハミルトンとの契約を2023年まで2年間延長したことを発表し、大きな話題を呼びました。さらに、FP1ではアルピーヌ、アルファロメオ、ウィリアムズがレギュラードライバーに代えてリザーブドライバーを起用しました。

予選：接戦とサプライズ

予選ではマックス・フェルスタッペンが今季4度目のポールポジションを獲得。2番手ランド・ノリスとの差はわずか0.048秒という接戦となりました。特に注目すべきは、ジョージ・ラッセルがウィリアムズ所属ドライバーとして初めてQ2を突破し、Q3で9番手（決勝では8番手）を獲得したこと。ウィリアムズチームとしては2018年イタリアGP以来のQ3進出、マクラーレンは2012年ブラジルGP以来のフロントロー獲得と、下位チームの躍進が目立ちました。セバスチャン・ベッテルはQ2でフェルナンド・アロンソを妨害したとして3グリッド降格ペナルティとペナルティポイント1点が科せられました。

決勝：フェルスタッペンのグランドスラムと波乱の展開

決勝レースは、ポールポジションのフェルスタッペンがスタートからトップを快走。前戦シュタイアーマルクGPに続き全周回ラップリーダーで優勝し、自身初の3連勝、そしてキャリア初のグランドスラムを達成しました。23歳277日でのグランドスラム達成はF1史上最年少記録です。

スタート直後の混戦ではエステバン・オコンが接触によりリタイア、セーフティーカーが導入されるなど、序盤から波乱の展開となりました。その後は、ペナルティが相次ぎ、各車のタイヤマネジメントとレースペースが勝敗を左右する展開に。前戦より柔らかいタイヤコンパウンドのため、多くのドライバーが2ストップ戦略を選択しました。最終ラップではベッテルとキミ・ライコネンが接触、ベッテルはリタイアとなりましたが、規定により完走扱いとなりました。

レース後には、ペレス、角田裕毅、ストロール、ライコネン、ラティフィ、マゼピンにペナルティが科せられ、順位変動が大きく影響しました。ノリス、ペレス、ラティフィ、ライコネン、マゼピン、角田にもペナルティポイントが加算されました。

結果と記録

フェルスタッペンのグランドスラム達成に加え、ウィリアムズやマクラーレンなどの下位チームの躍進、予想外のペナルティや接触など、様々なドラマが詰まったレースとなりました。このレースの結果は、ドライバーズ、コンストラクターズ選手権の順位にも大きな影響を与えました。詳細な結果は、公式記録をご確認ください。

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