2021年ドイツ連邦議会選挙

2021年ドイツ連邦議会選挙：メルケル時代終焉と新たな連立政権の誕生

2021年9月26日に行われたドイツ連邦議会選挙は、16年にわたるメルケル政権の終焉と、新たな政治体制への移行という歴史的転換点を示す選挙となりました。長期政権を担ってきたメルケル首相の引退表明は、国内外に大きな衝撃を与え、選挙への関心を高めました。

混戦の選挙戦

選挙戦は、予想をはるかに超える混戦を繰り広げました。当初はキリスト教民主同盟（CDU/CSU）が優勢と見られていましたが、5月には同盟90/緑の党|同盟90_緑の党が支持率で首位に躍り出ました。しかし、緑の党の党首に疑惑が浮上すると支持率は急落。一方、CDU/CSUの党首も支持率を落とすなど、各党の支持率は大きく変動しました。

そんな中、社会民主党（SPD）のショルツ財務相は、安定感と実務能力で支持を集め、支持率が上昇。選挙直前までCDU/CSUと激しい首位争いを繰り広げ、最後まで勝敗が分からぬ状況となりました。

選挙制度と選挙データ

選挙は、小選挙区比例代表併用制で行われました。小選挙区299議席、比例代表299議席に加え、超過議席111議席があり、合計709議席が争われました。選挙権は満18歳以上のドイツ国民に与えられ、有権者数は約6100万人でした。投票は秘密投票、単記投票、記号式、2票制（選挙区候補投票・政党名簿投票）で行われました。

主要争点

選挙戦で主要な争点となったのは、環境・気候変動対策、移民問題、新型コロナウイルス対策です。特に、2021年7月にドイツ西部を襲った大洪水の被害は、気候変動対策の重要性を改めて浮き彫りにし、大きな議論を呼びました。

選挙結果と新たな政権

選挙の結果、SPDが第1党に躍進し、CDU/CSUは第2党に転落しました。緑の党と自由民主党（FDP）も議席を伸ばし、それぞれ第3党、第4党となりました。一方、左翼党とドイツのための選択肢（AfD）は議席を減らしました。

どの政党も単独で過半数を獲得できなかったため、連立交渉が開始されました。SPDは緑の党とFDPとの連立交渉を行い、難航の末、合意に達しました。これにより、オラフ・ショルツが新首相に就任し、SPD、緑の党、FDPによる3党連立政権が発足しました。

まとめ

2021年ドイツ連邦議会選挙は、メルケル時代が終わる歴史的な選挙となりました。混戦の選挙戦を制したSPDを中心とした新政権は、気候変動対策、移民問題、経済政策など、多くの課題に直面することになります。今後のドイツ政治の行方、そしてヨーロッパにおけるドイツの役割に、世界が注目しています。

もう一度検索