2022 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ2次予選

2022 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選プレーオフの詳細

本記事では、2022年カタールワールドカップのヨーロッパ予選における、特にプレーオフ（2次予選）に焦点を当て、その詳細を解説します。このプレーオフは、ヨーロッパサッカー連盟（UEFA）に加盟する協会を対象に行われ、ワールドカップ出場チームを決定する重要なステージとなりました。

大会フォーマットの変更

今大会の予選フォーマットは、過去の大会から大きく変更されました。従来の「グループステージ2位同士によるホーム・アンド・アウェー方式」から、「グループステージ2位チームとUEFAネーションズリーグ（NL）上位チームを加えたトーナメント方式」へと移行しました。この変更は、UEFAネーションズリーグの結果を反映させることを目的としています。

2019年12月4日にUEFA実行委員会で承認された新しいフォーマットでは、UEFAネーションズリーグ2020-21の上位チームが参加チームに加わる方式が採用されました。参加資格を有する12チームが4チームずつ3つのグループ（プレーオフ・パスA、B、C）に分かれ、それぞれシングルトーナメントを戦います。

準決勝は3月24-25日に、決勝は3月28-29日に開催され、各パスの決勝の勝者がワールドカップ出場権を獲得します。準決勝はグループステージの上位6チームのホームゲームとして、決勝は準決勝後の抽選で決定したチームのホームゲームとして開催されます。試合は全て1試合で決着し、ホーム・アンド・アウェー方式は採用されません。

試合方式とVAR

準決勝・決勝ともに、フルマッチ終了後に同点の場合は30分の延長戦が行われ、延長戦終了後も同点の場合はPK戦で勝者を決定します。また、ビデオ・アシスタント・レフェリー（VAR）が導入され、判定の精度向上が図られました。

参加チーム

プレーオフには、以下の要件を満たす12チームが参加しました。

1. ヨーロッパ予選グループステージの各グループ（A-J）の2位となった10チーム。
2. グループステージで3位以下となったチームのうち、UEFAネーションズリーグ2020-21でグループ最上位となったチームから2チーム。

グループステージ2位チームのうち、上位6チームがシードされ、準決勝のホーム開催権を得ました。下位4チームは準決勝の抽選でシードされませんでした。

抽選方法

2次予選進出の12チームは、2021年11月26日にスイス・チューリッヒで行われた抽選で組み合わせが決定しました。抽選は以下の手順で行われました。

1. グループステージの上位6チームをシードとし、準決勝1から6のホームチームに割り当てる。
2. 残りの6チームをノーシードとし、準決勝1から6のアウェイチームに割り当てる。
3. パスAは準決勝1と2、パスBは準決勝3と4、パスCは準決勝5と6で構成される。
4. 決勝A、B、Cのホームゲームは、準決勝終了後に改めて抽選で決定する。

政治的な理由から、ロシアとウクライナは同じプレーオフパスとならないように抽選が行われました。

スケジュールと特記事項

準決勝は3月24-25日に、決勝は3月28-29日に行われました。ただし、2022年ロシアのウクライナ侵攻の影響で、パスAの準決勝1試合（スコットランド対ウクライナ）と決勝が6月に延期されました。

パスA：ロシアのウクライナ侵攻の影響

ウクライナサッカー連盟は、スコットランドとの準決勝の延期をFIFAに要請し、FIFAはこれを承認。スコットランド対ウクライナの準決勝は6月1日に、決勝は6月5日に開催されました。この影響で、UEFAネーションズリーグ2022-23の一部日程が変更されました。

ワールドカップ本大会の組み合わせ抽選では、「ヨーロッパ2次予選パスAのチーム」枠はFIFAランキングに関係なくポット4に入ることになりました。

パスB：ロシアの除外

ロシアのウクライナ侵攻を受け、パスBに参加するポーランド、スウェーデン、チェコはロシア国内での試合開催を拒否。その後、FIFAはロシア代表のヨーロッパ2次予選からの追放を決定し、準決勝の対戦相手であったポーランド代表が不戦勝で決勝に進出しました。ロシアサッカー連合はスポーツ仲裁裁判所（CAS）に異議を申し立てましたが、棄却されました。

このように、2022年FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選プレーオフは、政治的な影響を受けながらも、激戦の末にワールドカップ出場国を決定する重要な役割を果たしました。

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